【連載】挑戦する地方ベンチャー No.6 リーフ(前編)

世の中の役に立つ技術、ニーズを製品化するのが創業の目的

 「最近はよくロボットメーカーだと言われていますが、うちはロボットメーカーじゃありませんよ」。リーフの森政雄社長はあいさつもそこそこに、ニヤリと笑いながらこうジャブを繰り出した。ロボットの街・北九州市を代表するロボットベンチャーと聞いていただけに、森社長の言い方にはいささか拍子抜けしてしまった。だが話を聞いていくうちに、なるほどロボットベンチャーの範ちゅうに入れるには無理があると分かることになる。  西日本最大の産業都市・北九州市は近年、鉄の街からロボットの街へと変容している。産業用最大手の安川電機を頂点に、大小さまざまな企業がロボット分野に参入、製品を送り出している。TOTOの「ベッドサイド水洗トイレ(第6回ロボット大賞 サービスロボット部門優秀賞受賞)」、石川鉄工所(北九州市八幡西区)の配管検査ロボット「もぐりんこ(第5回ものづくり日本大賞 九州経済産業局長賞)」など、数え上げればキリがない。リーフの医療・介護ロボットも高齢化が進む日本社会の一助になると、地元では大いに期待されている製品だ。  森社長は北九州市内にある情報系の専門学校を卒業後、複数の会社でプログラマーや技術営業など「ビジネスに必要な一通りの経験を積みました」。    さらに森社長はコンピューターソフトや制御システム、精密機械、センシングなど今のロボットに必要な技術を身につけていくことになる。  起業直前には中小のFAメーカーに勤務して技術営業に携わったが、ここでロボットに関連する仕事を請け合うことがその後の起業につながった。「これまでの技術者としてだけではなく、技術営業を行い、仕事を受注出来たことで、今後自分でもできるのではないかと感じたのがきっかけでした。いろいろな仕事を経験して、市場ニーズも分かっていたし、得意の制御ソフトウエアをメインに据えたエンジニアリングメーカーを目指そうと思ったのです」。2008年1月には、北九州市小倉北区のマンションの一室を借りてリーフを設立した。  創業時の資本金は200万円。ベンチャー企業の5年後存続率は5%程度と言われる中「苦しかったですが、技術はあるので何とかなると最初は楽観的していました」と頭をかく。「シーズをベースに研究開発から始まる大学発ベンチャーとは根本的に異なります。世の中の役に立つ技術、ニーズを製品化するのが創業の目的でしたから」。そんな森社長が目を付けたのが高齢者比率が25%を超え、政令市で最も高齢者の多い街・北九州市で今後急速に求められる医療・介護分野だった。 (文=北九州・大神 浩二) <会社概要> リーフ株式会社 所在地:北九州市小倉北区三萩野2丁目8番17号 設立:2008年1月 (後編は12月9日に掲載)

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