【COP21開幕】米ディズニーが取り組む森林保護「REDD+」も合意へ

企業参入に期待

表は4月時点

 30日からパリで始める国連の気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で、森林保護よる二酸化炭素(CO2)の排出削減の仕組みである「REDD+」(レッドプラス)の導入が決まる見通しだ。REDD+はCO2削減量が大きく、取り組む企業にもメリットが見込まれる。先進国から資金を呼び込むためにREDD+の活用を検討する途上国も多く、市場が形成されそうだ。  REDD+は先進国や企業が途上国の森林破壊や劣化を抑制し、森林によるCO2吸収量を増やす取り組み。国や企業は吸収量の増大によって大気への排出を削減できたCO2量をクレジットとして獲得できる。森林伐採に代わる生計手段が現地住民に提供されるので途上国にもメリットがある。  樹木は生長過程でCO2を吸収する。伐採で森林面積が減ると吸収量も減少。また森林を燃やすと大気にCO2が放出される。毎年、日本の面積の半分に当たる森林が地球上から失われており、世界中のCO2排出量の20%が森林破壊が原因と考えられている。  10月にドイツで開かれたCOP21準備会合で作成された合意案にREDD+が盛り込まれた。COP21本番での正式な合意文にも入ると、世界的なCO2排出削減の手法の一つに組み込まれる。  三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢野雅人・生物多様性戦略室長によると、国連に提出された40カ国以上のCO2削減目標にREDD+の記載がある。カンボジアは森林面積を国土の60%まで増やす手段としてREDD+を考えている。  すでに兼松はインドネシアでREDD+に取り組む。米ディズニーは自社の削減目標達成にクレジットを活用しようと、REDD+の事業に資金提供した。COP21の合意次第で、企業の参入が後押しされる。  ただし「クレジットの使い方が未定」(矢野室長)という課題がある。クレジットを自国や自社の削減量に換算するだけでなく、売買もできれば企業には収入となるのでREDD+を始める動機となりやすい。そもそもREDD+は効果測定まで時間がかかるため長期プロジェクトとなる。クレジットの扱いが定まらないと企業には投資リスクとなる。  ただ、各国の目標は25年や30年がターゲット。目標年が近づき、、削減の達成が危ぶまれる国ほどクレジットを購入しようと考える。REDD+には数十万トン以上のCO2削減効果が見込める案件もある。将来、クレジットの価値が高まる可能性があり、企業には先行投資となる。  企業のリスクを軽減しようと国際協力機構、森林総合研究所が中心となって14年、「森から世界を変えるREDD+プラットフォーム」を設立した。NECや大成建設などが参加し、官民連携で参画の仕方を検討している。  矢野室長は「まずは森林保全によるCSR効果としてREDD+を検討してみては」と助言する。

続きを読む

特集