TDKも絶好調。設備投資は上振れ濃厚

上釜社長インタビュー。スマホ、車載に向け攻めの姿勢を継続

TDK社長・上釜健宏氏

 TDKの業績が成長軌道に入った。2015年4―9月期はスマートフォン向け部品や二次電池がけん引。受動部品の売上高、営業利益ともに半期ベースで過去最高を記録。自動車向けに開発した高機能センサーも収益に寄与しつつある。下期もこの勢いを維持できるか。事業環境や戦略について上釜健宏社長に聞いた。  ―中国経済減速の影響は。  「スマホ向けは減速感が感じられない。特に表面弾性波フィルターなどの高周波部品、二次電池の需要が旺盛で生産対応に追われている。自動車向けは中国で新車の売れ行きが落ちているが、今のところ部品事業に影響は出ていない」  ―二次電池事業は主要3事業の中で最も利益率が高く、勢いがあります。どう育てますか。  「当面はスマホ向けの旺盛な需要にしっかり応えていくことを最優先にし、増産投資を続けていく。車や産業機器向けは思ったより採用までに時間がかかると感じる。二次電池単体だけでなく、電源など他の商材と組み合わせた提案をし、優位性を高めていきたい」  ―今年から量産が始まった新型磁気センサーの受注動向は。  「車分野での引き合いが多く、国内外の主要な1次取引先(ティア1)の大半に採用された。ハードディスク駆動装置用磁気ヘッド技術を活用したセンサーで、車以外に産業機器やロボットへの搭載も見込める、今最も期待する商材の一つだ。今は国内だけで生産しているが、安定供給に向けた体制を整える」  ―今期は1300億円の設備投資を計画していますが、想定より上振れしそうですね。   「すでに下期に実施する計画だった投資を前倒して実行した。16年度以降の受注を見据えた投資の継続が必要で(上振れする)可能性は大きい」  ―秋田に新工場棟を建設中ですが進捗(しんちょく)は。  「順調に進んでおり稲倉工場が来年6月、本荘工場が同10月にそれぞれ(新棟が)完成する予定だ。世界どの場所でも同じように高品質品を生産・供給できる体制を目指しており、秋田の工場はこれを実現する重要な役割を果たす」  【記者の目/営業力強化で経営基盤固め】  スマホ向けは高周波部品や二次電池が好調で、下期も大きな変動がなく着地しそう。競合と比較し稼ぐ力はやや見劣りするが、スマホ以外に車や産業機器、社会インフラといった成長市場向け製品が強い。デンソーなどに採用された磁気センサーもその一つ。営業力を一段と強化し、着実に獲得していけば経営基盤がより強固になる。 (聞き手=下氏香菜子)

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