ニュースイッチ

東京23区一の緑被率「練馬の緑」を5色の絵の具に

ニッカー絵具、区と共同開発
東京23区一の緑被率「練馬の緑」を5色の絵の具に

5本入りの「ねりまグリーン」

 ニッカー絵具(東京都練馬区、妻倉一郎社長)は、東京都練馬区と共同で、独自の緑色ポスターカラー絵の具「ねりまグリーン」を開発した。区で撮られた複数の写真から抽出したデータなどを基に、色を混ぜ合わせ作製。CM、イベントなどの広報活動に使用する目的で5本入り250セットを用意した。

 東京23区一の緑被率(緑で覆われた土地の面積割合)を誇る練馬区は、「よりどりみどり」をスローガンに、区内の魅力を発信するプロジェクトを展開する。その一環として「みどり」をテーマにアート、街、自然、食、人の五つの分野で写真を募集。写真から抽出したデータと色見本を元に同社が実際の絵の具を製作した。

 ポスターカラーは通常、青みがかった鮮やかな色が多い。ところが同区から提示された色は、自然色に近い赤みを帯びた色が多かった。「赤みの色を残しながら鮮やかな色合いにするのに苦労した」と赤尾進一郎会長・技術顧問は語る。

 顔料を混ぜ合わせ、少しずつ配分を変えながら色見本に近づけていく。パソコンでの色判定も導入しているが、どの色をどれだけ足せばいいというデータは表示されない。最後は職人の勘が頼りだ。12回の試作を経て5色のねりまグリーンは完成した。

 完成した絵の具はすでに「練馬まつり」などで区民の手で使用されている。「この絵の具はどこで買えるのか」との反響を受け、製品化も視野に入れている。
日刊工業新聞2015年11月12日 中小企業・地域経済面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
区の緑を絵具にするという発想がユニーク。パッケージもおしゃれですね。このシリーズで他の地域でも色を作り、「ふるさとの色シリーズ」なんかにしたら面白いですね。

編集部のおすすめ