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2足や4足歩行のロボット簡単に、対話型の設計システム開発、チューリヒ工科大など

市販モーター利用し、設計部品は3Dプリンターで作製可能
2足や4足歩行のロボット簡単に、対話型の設計システム開発、チューリヒ工科大など

設計したロボットのシミュレーションモデル(左)と実物(右)

 2足や4足で歩く単純なロボットの骨組み形状や足取り、動作を、パソコン画面のマウス操作で短時間に設計できる−−そんな対話型のロボット設計システムを、スイス連邦工科大学チューリヒ校が米ディズニーリサーチ、米カーネギーメロン大学と共同で開発した。設計したボティー部品は一般向けの3Dプリンターで出力できる。11月2〜5日に神戸で開かれたCG国際会議「ACMシーグラフアジア2015」で発表された。

 まずはロボットの骨組みから設計を開始。何本の足で歩くかや関節部分に付けるサーボモーターの数、「骨」に当たる部分の長さを変えることで構造を決定する。さらに足取りや速度、一定時間ごとの歩く向き(前進・横移動・回転)、動作なども設定でき、最適化アルゴリズムで全体のバランスをとりながら動きが滑らかになるようサーボの制御信号が作られる。

 この設計システムを使って2足、4足、5足ロボットの6種類のロボットを作って実証したところ、実際には摩擦やパーツが曲がりなどによって想定に比べ多少動きがずれたりしたが、シミュレーションと実物の動きはほぼ一致したという。

 中でも4足で背骨をくねらせながら歩くサンショウウオのようなロボットは動きがリアルで、「プレデター」と名付けた5足ロボットは不気味な雰囲気。ただ、今の設計システムではロボットが走ったり、センサーフィードバックの機能は付けられないという。
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藤元正
藤元正 Fujimoto Tadashi
まだ単純なロボットの設計にしか対応できないようだが、インパクトは大きい。個人がロボットを作る場合、現状ではプラモデルのようなキットを買ってきて組み立てるケースがほとんど。こうした設計システムが個人で自由に使えるようになれば、3Dプリンターと併せて、自分が設計したロボットが自宅で作れるようになる。ロボットの「メイカーズ」の輩出を後押しするかもしれない。

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