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神戸の中小、フルヤ工業が社内保育施設―人材確保、採用の武器にも

検査などで女性が活躍
神戸の中小、フルヤ工業が社内保育施設―人材確保、採用の武器にも

敷地内に建設した保育施設と降矢社長

 【神戸】フルヤ工業(兵庫県篠山市、降矢寿民社長、079・594・1111)は、企業内保育施設「サボテンハウス」を本社敷地内で11月2日に開設する。女性従業員の仕事と育児の両立を支援するとともに、今後の新規採用も考え保育施設の設置を決めた。兵庫県内の中小製造業で、社内に保育施設を保有するのは珍しい。

 厚生労働省兵庫労働局の認定を受けた今回の保育施設は、延べ床面積が99・98平方メートル。総工費で約4000万円かけたが、設置費と運営費で国の助成金も申請中だ。

 保育の最大定員は19人。運営は保育事業を展開するチャイルドハート(神戸市西区)に委託した。

 保育時間は8時半―18時半で、利用者は保育料で1人当たり月7000円を払う仕組み。産休中の女性と同社を一度退職した女性のパート2人が復職に伴って利用し、まず幼児3人が入る。

 フルヤ工業の従業員は男性59人、女性63人と女性が多い。女性は正社員10人とパート36人、ベトナム人実習生17人で、平均年齢は35歳。腕時計用や自動車関連など精密プラスチック部品の開発・製造を行うが、目視で製品の良否判定などを行う検査業務に女性31人が従事している。

 同社の降矢社長は「検査など女性が多い現場を持つ当社として、小さい子がいても仕事がしやすい環境を整備したかった。今後の採用活動にも役立てたい」としている。
日刊工業新聞2015年10月29日 中小企業・地域経済面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
地域によって保育園の確保が非常に難しくなっていて、子供が生まれる前から「保活」に追われる夫婦も増えています。1企業だけで保育園を持つのが難しくても、何社か集まれば可能になるかもしれません。

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