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リカバリーウエアに人気爆発の予感

デサントが新製品、そして“開拓者”ベネクスの知られざる起業ストーリー
リカバリーウエアに人気爆発の予感

デサントのモデル・北島康介選手

 デサントは、「スキンズ」ブランドからリカバリーウエア「RY400」シリーズをリニューアルし、発売した。身体の各部位に適切な着圧がかかる設計で、就寝時や休息時、長距離移動時などに着用して身体を回復させる。

 男性用と女性用で各2型展開。消費税抜き価格はロングスリーブトップが1万3000円、ロングタイツが1万6000円。スポーツ専門店や家電量販店などで販売する。初年度販売目標は4000点。

ベネクスは新開発の波打つ生地


日刊工業新聞2015年9月3日


 ベネクス(神奈川県厚木市)は2日、スポーツ直後に着用して疲労回復を促すリカバリーウエア「リチャージPro」を9月下旬に発売すると発表した。

 半袖と長袖、ロングタイツで消費税込み価格は1万9440円―2万1600円。トレーニングジムやスポーツ用品店、百貨店などで発売する。

 繊維に練り込んだ数十種類の粒子状鉱物の電磁波が体に作用。新開発した波打つ生地の摩擦が皮膚の神経を刺激して血流を促すほか、姿勢を補正して副交感神経を優位にして疲労が回復する。筋肉のケアは運動後30分以内が効果的とされており、中村社長は「リカバリーの機運が高まっている」と述べた。

4年前の「連載・勝つ」ベネクス編より


日刊工業新聞2011年01月11-14日


 近年、日本では世代を超えてスポーツで汗を流す人が増えている。皇居の外周は休日ともなるとランナーであふれ、富士山への登山者は2010年、過去最多の32万人を数えた。同時に、ウエアは年を追うごとに進化を遂げている。記憶に新しいところでは、08年の北京オリンピックの競泳で英スピードの水着を使用した選手が、軒並み世界記録を出し話題になった。

 従来、ウエアは競技のパフォーマンスをどう上げるかに関心が集まってきた。そのような中で、運動用のウエアとは正反対に、人間が本来持つ回復力を最大限に引き出すことを目的にした「リカバリーウェア」を開発した会社がある。神奈川県厚木市に本社を構えるベネクスだ。社長の中村太一は「売り上げは年々右肩上がりに伸びていて、購入者からの反応も良い」と胸を張る。

 事実、08年ごろからプロスポーツ選手やオリンピック選手が休養専用のウエアとして使い始めたのをきっかけに口コミで評判が広まり、今では会社員や主婦が寝間着として使用している。大手スポーツジムのゴールドジムやメガロスの物販コーナーをはじめ、10年夏以降、伊勢丹、そごう、西武といった大手百貨店でも販売している。現在、リカバリーウェアの累計販売枚数は2万5000枚を突破した。(※2015年2月末時、25万着を突破)

 【回復力の秘密】
 リカバリーウェアはこれまで一般的だった筋肉を締め付けることで血管を絞り上げ血行を促し、疲労物質を取り除くタイプのものと一線を画す。締め付けなどの物理的な力は一切かからず、体と精神に負担をかけないという特徴を持つ点において、他社商品との差別化も図っている。

 では、なぜリカバリーウェアは身に着けると疲れが取れるのか―。それは、ポリエステル繊維にナノメートル(ナノは10億分の1)単位で構成するオリジナル素材「DPV―576」という人間の血流を良くする効果がある素材が練り込んであるからだ。

 この素材は東海大学健康科学部の松木秀明教授によるストレス軽減実験や、米UCLAドリュー医科大学のマンドゥ・ゴーナム博士が実施した免疫活性実験などにより効果が実証されている。

 【支えられた5年間】
 ベネクスは創業5年、社員6人の小さな会社にすぎない。中村は「人の縁に助けられ、支えられた5年間だった」と振り返る。また、ベネクスは決してリカバリーウェアの製造販売会社として創業したわけではない。創業に当たりメンバー全員が化学はもとより、縫製などの知識が全くなかった。

 中村は「むしろ何も知らなかったことが幸いした。怖いもの知らずでアタックし続けたことが今に結びついている」という。

日刊工業新聞2015年10月23日 生活面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
先日、某人気アイドルグループがコンサート終わりに着ている映像がテレビで流れていた。最初は何このウエア?と思ったが、着実に愛用者は増えているようだ。

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