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介護のトレンドはロボットだけに非ず!津島鉄工所、非電動式の歩行器開発

精密加工技術で負担減
介護のトレンドはロボットだけに非ず!津島鉄工所、非電動式の歩行器開発

津島鉄工所の非電動式の歩行器「たぁーくん」

 【京都】津島鉄工所(京都市南区、津嶋義彦社長、075・671・4025)は、介護・福祉事業に参入する。搬送機械向けなどの精密板金・切削の加工ノウハウを生かし、介護支援者の負担軽減を目的とした非電動式の歩行器「たぁーくん」を開発した。同社初の独自製品として、現場従事者の作業環境改善の需要を掘り起こす。

 開発した歩行器はテコの原理を応用した。介護支援者が機器下部のバーを踏むと、介護対象者は力を入れずに自然な形での立ち上がりや着座ができるという。支援者は対象者を直接持ち上げる必要がなく、腰などへの負担を軽減できる。重量は23キログラムで特許出願中。価格は24万8000円(消費税抜き)。介護・福祉施設向けに年100台の販売を目指す。

 津島鉄工所は金属部材の加工や組み立てを手がけ、多品種小ロット対応を強みとしている。2015年7月期売上高は3億5000万円。初の自社ブランド製品の投入を機に、今後は金属加工の技術を駆使した介護・福祉製品を増やす考え。

 今回の開発は、まず13年度に京都府などが「人にやさしい介護支援機器開発プロジェクト運営協議会」を発足し、京都市内の福祉施設の協力を得て介護機器の試作開発に乗り出した。14年度、製品化に向けた開発企業を募り、15年度に京都府から「エコノミック・ガーデニングセカンドステージ」の3カ年の補助金採択を受けた津島鉄工所が製品化した。
日刊工業新聞2015年10月20日 中小企業・地域経済面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
非電動なので充電の手間もないし、水にぬれたり汚れたりしやすい介護現場では扱いやすいと思います。海外への展開もスムーズに進みそう。

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