3万8000人の街に総投資額1100億円のメガソーラー

地方活性化は東洋一の塩田跡地から

瀬戸内市で建設中の国内最大メガソーラーの完成予想図

 岡山県瀬戸内市で国内最大の大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設工事が始まって1年。太陽光パネル設置位置にコンクリート基礎が並び、巨大メガソーラーの輪郭が見えてきた。太陽光発電では前例のない総事業費1100億円の大半を協調融資で賄う。事業規模はもちろん、工事が進むにつれて再生可能エネルギーを活用した地方活性化のモデル事業としても注目が集まってきた。    同事業は元ゴールドマン・サックス投信社長の山﨑養世氏が社長を務めるくにうみアセットマネジメント(東京都千代田区)、東洋エンジニアリング、GEエナジー・フィナンシャルサービス、中電工の4社の企業連合が手がける。2019年に完成すると瀬戸内海の海岸から内陸へと広がる265ヘクタールの土地に89万枚の太陽光パネルが並ぶ。出力は23万キロワット。瀬戸内市の世帯数の4倍以上の7万世帯分の電力を生み出す。  建設地の錦海(きんかい)塩田跡地は500ヘクタールで、かつては東洋一の塩田だった。市が塩田跡地を発電所にすることを決めると事業者が殺到。広大な土地を利用した発電事業は膨大な売電収入が期待できるからだ。  くにうみアセットの企業連合が選ばれた理由を、山﨑社長は「市の発展計画を一緒に作った我々の事業案が採用された」と解説する。象徴が同社らが建設する堤防だ。現地は塩田として使われなくなってからも海水が流れ込むため、排水だけを延々と続けてきた。    排水ポンプを含めた維持費は年1000万円。防災の役割はあるが、市の負担は小さくなかった。堤防ができると市の負担は減り、住民も高潮被害から守られ、「安心・安全で地域に貢献できる」(山﨑社長)。  市は100億円以上を見込む塩田跡地の地代収入を「まちづくり事業費」に充てる計画だ。他にも固定資産税などの税収アップがあり、高齢者支援など福祉サービスも充実できる。同社は安心・安全以外にも市の発展に貢献できる事業計画を提案したという。  塩漬けだった土地が電力が生み出し、防災対策が施され、企業だけでなく地域住民も恩恵を受ける。他の地域にも遊休地は多く、同じ事業モデルを描けそうだ。    山﨑社長は「大都市の企業が集めたお金で地方を支える構図は維持不可能。再生可能エネルギーは燃料を使わず、排ガスもなく無害。それでいて価値を創造する。地域発展に再生エネは不可欠だ」と強調する。 (文=松木喬)

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