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教室のネット無線化、公立小中学校7割が未整備 

MM総研(東京都港区、関口和一所長、03・5777・0161)は、全国の公立小中学校の約7割が教室内のインターネット回線を完全無線化できていないとする調査結果をまとめた。ドリルや教科書などのデジタル学習コンテンツの予算化を検討している学校は約3割にとどまり、デジタル教育の普及に課題を残した。

調査結果によると、3月時点で全教室を無線化していると回答したのは小学校で28%、中学校で32%。一部の教室で無線化している学校を含む未整備校のうち約9割が「2020年度中に無線化の調達・整備をする」とした。文部科学省は教育現場のデジタル化を推進する「GIGAスクール」構想関連に約4500億円の予算を計上しており、補助金の対象となる20年度中に整備が進むことが予想される。

パソコンなどの端末の調達については、小学校で82%、中学校でも81%が「無線化と合わせて調達する」と回答。デジタル学習コンテンツ予算化に関しては、「積極的に検討している」が9%、「やや検討している」が25%で、予算化を検討している学校は約3割にとどまった。残りの約7割は無線化やパソコン、タブレットなどの環境、端末の確保が先との姿勢を示している。

都道府県や市区町村の教育委員会のICT調達担当者を対象に、ウェブ上で378件の回答を集めた。

日刊工業新聞2020年5月13日

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