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山中教授が新型コロナ対策で発信する「証拠の強さによる情報分類」

山中教授が新型コロナ対策で発信する「証拠の強さによる情報分類」

「新型コロナとの闘いは短距離走ではなくマラソン」と話す山中教授

iPS細胞(人工多能性幹細胞)の生みの親で、2012年のノーベル生理学医学賞を受賞した京都大学iPS細胞研究所の所長を務める山中伸弥教授が「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」と題したホームページ(HP)を立ち上げた。

HPは教授個人によるもので、京大や研究所は関与していないという。幹細胞の研究者である山中教授は感染症の専門家ではない。それでも医学研究者のひとりとして世界中を巻き込む難題解決への一助となるべく動いた。

HPではインフルエンザとの違いや論文、データなどから見る新型コロナについて山中教授のコメントが示されている。見解は分かりやすくまとめられているのも見逃せない。

「新型コロナとの闘いは短距離走ではなくマラソン」とHP冒頭に記載がある。昼休みに研究所近くの京都・鴨川沿いを走るのを日課にする“マラソンランナー”ならではの例えだ。

記者会見などでつねづね口にするのは「患者さんのために」。日ごとに感染拡大する状況で、その思いがiPS細胞研究の枠を超えた取り組みにつながったはず。マラソンには必ずゴールがある。新型コロナ対策で光明を見いだすべく動く山中教授の情報発信力に期待したい。

「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」公式ページより(4月4日現在)


「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」
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日刊工業新聞2020年3月26日

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