日系自動車メーカー、徐々に工場操業も「つくれども売れず」という懸念

ホンダ「武漢」一部再開、日産も湖北省で週内操業へ

一部再開したホンダの武漢工場

ホンダは11日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、稼働を休止していた中国・湖北省武漢市の工場の生産を一部再開した。日産自動車も同省襄陽市の工場を週内に再開する方針。同省以外にある日系自動車メーカーの中国工場はすでに稼働を始めた。各社の中国生産は低水準だが、今後、サプライチェーン(部品供給網)や物流網の回復と歩調を合わせ、正常化に取り組む方針。一方、中国新車市場の冷え込みは懸念材料。販売不振が続けば、「つくれども売れず」という状況に陥りかねない。 湖北省の省政府は10日まで企業に休業期間の延長を要請していた。ホンダは当局から生産再開の許可を得て、武漢市にある三つの4輪車工場を再開した。まずは設備を点検しながらの少量生産となる。日産も稼働率を抑えての再開となる方向だ。 部品メーカーではホンダ系のテイ・エステックは武漢市の工場で一部生産を再開した。同じく湖北省に工場を構えるケーヒンやエフテックは再開許可を申請中で、「部品在庫の確認など生産準備を進めている」(エフテック担当者)。 日産と取引の多いヨロズも武漢工場の稼働を再開した。ただ当局の規制により従業員は徒歩やバイクによる出勤しか認められておらず、工場の人員は少ない。志藤昭彦会長兼最高経営責任者(CEO)は「交通やサプライチェーンの回復具合をみながら徐々に生産レベルを上げていく」との方針を示す。 広東省など湖北省以外にある日系自動車メーカーの工場は2月中旬以降から順次再開した。トヨタ自動車は中国国内に4工場を持ち、一部工場では稼働率を上げた。マツダや三菱自動車も中国工場の生産を再開した。まだ正常稼働の工場は少ないが、復旧への見通しは付いたといえる。 今後の大きな関心事は中国の新車販売がいつ正常化するかだ。中国の業界団体である全国乗用車市場情報連合会(乗連会)によると、2月の乗用車販売は同78・6%減の25万6608台に落ち込んだ。3月に入っても「現地は『新車を買いたい』という消費ムードになっていない」(日系メーカー幹部)状況で、しばらく厳しい販売が続きそう。 SMBC日興証券の木下寿英株式調査部シニアアナリストは「販売台数が、前年水準に戻るのは7月頃になるのではないか」と予想し、新型コロナの影響で385万台規模のマイナス影響となる可能性を指摘する。 また新型コロナの感染リスクは残る。いすゞ自動車の中俣直人執行役員は「従業員が感染すれば、また工場の稼働を止めないといけない。どう防ぐかが重要だ」と気を引き締める。

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