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ANAと日立、トラブル時の運行ダイヤ修正案を自動作成

全日本空輸(ANA)は5日、日立製作所と共同で、イレギュラー発生時の運航ダイヤ修正案を自動作成する技術実証に取り組み、早期実用化を目指すと発表した。航空機が遅延すると、影響は接続便や機材・人員繰り、整備計画など広範囲に及ぶ。現行のダイヤ修正は複雑に絡み合う要件を、熟練者が経験則に基づいて実施。システムで支援することで人手を補い、従来以上の最適解も期待できるため、品質向上や対応の迅速化が見込める。

技術実証は2019年6月に着手した。これまでに簡単な事象に対して、熟練者同等の速度と精度で修正案を提示できることや、人手では難しかった優先順位別の複数案検討が可能であることが分かった。3月末までに、より複雑な事象への適応性を確認して実用化の判断につなげる。

航空機の運航では、天候や機材トラブル、空港混雑などが原因で日常的にイレギュラーが発生する。特に国内線では1機当たりが1日5―6便を運航。遅延が発生すると、オペレーション部門には、短時間のうちに、影響を最小化するダイヤ修正と、関係部署との調整が求められる。今後の航空需要拡大をにらみ、より高度化を図るためにも業務支援を実用化したい考え。

日刊工業新聞2020年3月6日

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