コンゴ大統領が喜んだ、ブロックチェーンでゴミ削減を仕掛けた日本企業

ブロックチェーンを使ったプラゴミ削減の実証事業について覚書を結んだ面来社長(左)とコンゴ・キンシャサ州知事

2019年夏、ナンバーワンソリューションズ(東京都目黒区)の面来(おもらい)哲雄社長は中央アフリカのコンゴ民主共和国を訪ね、同国のチセケディ大統領に面会した。データをネットワーク上に分散保存するブロックチェーン技術を活用したゴミ削減のアイデアを伝えると「大統領は喜び、ぜひやりたいと言ってくれた」(面来社長)という。 02年創業のナンバーワンソリューションズにはエンジニア70人が所属し、IT関係の受託開発を幅広く展開する。17年ごろ、ブロックチェーンに出会った面来社長は「改ざんできない形で履歴が残る。社会課題解決に役立つはずだ」と直感。ブロックチェーンを流通の課題解決などに役立ててきた。 チセケディ大統領とは日本にいる知人を介してつながった。当初、通貨代わりに利用できる電子コインを提案するはずだったが、現地の行政がゴミ問題に頭を悩ませているという情報を耳にした。実際に道の両脇にゴミの山がある街並みを見ると、問題の深刻さを実感した。大統領もゴミ問題解決のアイデアを歓迎し、19年8月に横浜市で首都キンシャサ州知事と覚書を結び、実証試験が決まった。 同社の提案は、廃プラスチック製品を焼却施設まで運んだ市民に電子ポイントを付与するアイデア。ポイントは提携店舗で買い物の支払いに使える。ポイントの管理にはブロックチェーンを活用し、携帯電話で受け取りや支払いが可能だ。 現地はゴミ収集のインフラが十分に整っていないため、街にゴミがあふれている。人口増加に伴ってプラ製品の使用量が増えているが、廃プラ発生量の25%しか回収されていない。一方、貧しい市民が多く、商品と交換できるポイント獲得はゴミ回収の動機付けになり、ゴミ削減と生活向上を両立できる。 同社は日本製の焼却炉1基を現地に配置し、3月には実証を開始できる準備を整えた。いずれはリサイクル設備を導入する計画で、「資源循環に発展させ、経済も回す」(面来社長)と展望を語る。数年後にはアフリカ全土で展開する予定だ。 途上国はインフラが未整備な分、「新しい技術を受け入れやすい」(同)といい、先進国の技術と思われるブロックチェーンの採用も早かった。また「社会課題に対して最先端技術で解決できる」のも途上国ならではだ。社名の通り、ナンバーワンのソリューション(解決策)を提供できるやりがいを感じながら、実証開始の日を待つ。

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