ニュースイッチ

コンクリを活用したキクラゲ栽培システムで生産効率向上へ

新規の農業参入者も簡単に栽培できる
コンクリを活用したキクラゲ栽培システムで生産効率向上へ

ボックスカルバートを使ったキクラゲ栽培システムの内観

熱源(川崎市麻生区、船崎帆洸社長、044・328・9931)は、排水用管路などに使うコンクリート製ボックスカルバート(門型)を活用した、キクラゲ栽培システムを発売した。湿度や温度を一定に保ち、適度な空気循環もできるため、新規の農業参入者も簡単に栽培が可能。また高密度コンクリートのため、豪風・豪雪地帯など気候変動の激しい地域でも安心して栽培できる。2020年内に5基の販売を目指す。

製品には熱源の長尺発熱ヒーターや、独自で自動化した加温加湿潅水システムをつける。カルバート1ブロックは奥行き1500ミリ×内高2500ミリ×内幅3000ミリメートル。これを10ブロックとシステム、工事費など設備一式で消費税抜き2000万円(設置場所などで金額の増減あり)。

同社は敷地内にある防空壕(ごう)やカルバート栽培システムでキクラゲを栽培し、販売している。その経験から計算するとキクラゲは年間栽培でき、生産効率も良いため、設備によっては2年半で設備投資分がまかなえるという。20年内に道の駅や学校給食などへ、独自のキクラゲの販売モデルを築き、システム購入者とともに販売網を作る方針。農業の新規参入者も売り先に困らない体制を作り、21年以降さらに販売を広げる。

そのほかにもウドやシイタケなど温度・湿度管理が必要な食物の栽培にも適している。船崎社長は「キクラゲは現在中国産が9割を占める。国産のキクラゲが増えていけば」と、システムによる農業参入者の拡大に期待する。

日刊工業新聞2020年2月27日

編集部のおすすめ