名実とも一つのアルプスアルパイン、どこの市場を攻めるのか

栗山年弘社長インタビュー

アルプスアルパイン公式サイトより

―成熟期のスマートフォン市場で、背面カメラの複眼化はアクチュエーター搭載数量の増加につながります。 「製品投入の市場が広がることは良いことだ。ただ、アクチュエーターはこれまで日本のメーカーが中心的な存在だったが、中国スマホ向けに安価で供給する中国メーカーも台頭している。価格競争となるローエンドではなく、ミドル以上の市場向けを手がけたい」 ―車載市場向けではスウェーデンのミリ波技術開発会社のアコーニアと提携しました。 「当社が車載のセンシング領域で力を入れているのは、自動駐車や車室内のセンシングを想定したウルトラショートレンジの領域だ。例えば、車のドアの下に足を入れたらドアを自動で開くことも可能になる。静電検知でもできるが、雨や雪の場合は誤動作してしまう。アコーニアもミリ波技術を開発しており、共同でニーズを掘り起こしている。引き合いはかなり強い」 ―旧アルプス電気とアルパインの経営統合による相乗効果は。 「開発は統合前から両社で進めていたが、ミリ波の技術開発でも着実に効果は出ている。アルプス電気単独では顧客数が限定されてしまうが、アルパインのソフトウエア開発力が加わったことで、より多くの顧客対応が可能になった。複数の顧客に同時に対応し、一気に市場で立ち上げたい」 ―M&A(合併・買収)や提携についてはどう考えていますか。 「M&Aの可能性はもちろんあるが、企業が持つ技術が必要であればパートナーやアライアンスで良い。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)もIoT(モノのインターネット)も単独ではできない。例えばIoTでは仏シグフォックスと提携しており、足りない技術は提携の方が速い」 ―投資計画は。 「2022年3月期までの中期経営計画中の3年間は年間の減価償却費と同程度をみており、400億円台の計画だ。研究開発投資を含め、新製品への投資がメーンとなる。生産面では経営シナジーを加速するため、自動化、合理化に継続的に投資していく」 【記者の目】 アルプスアルパインは20年4月1日付で完全子会社のアルパインの全事業を吸収分割により人材を含め移管する。同社はペーパーカンパニーとなる。「名実とも一つになる」と栗山社長は一体化を強調する。ただ、海外はまだ別々の法人。人的統合を早期に実現し、成長戦略に経営資源を集中できるかがトップの腕の見せどころだ。 (山谷逸平) <関連記事>

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