企業体質を見直す機会となった19年、ユニチカは世界でフィルム事業を強化する

ユニチカ・上埜修司社長インタビュー

ユニチカの上埜修司社長(同社公式サイトより)

―2019年度が最終年度の中期経営計画をどう評価しますか。 「19年1月に発生したナイロン重合設備の火災影響が年間で20億円弱あり、利益面での圧縮要因となっている。設備は2−3割復旧しており、20年度内に完全復旧を見込む」 「現中計で営業利益134億円を掲げたが、65億円程度で着地する見通し。アジア地域全体で商品の競合関係が変化した影響で、タイのスパンボンド設備が思うように軌道に乗っていないのが大きな未達理由。施策全体の進行具合は6割ほどにとどまる」 ―次期中計の方向性は。 「グローバル化をより一層進めていく。食品包装用途の高ガスバリアー性ナイロンフィルム『エンブレムHG』などの高付加価値フィルムや半導体関連に使われる離型フィルムなど、好調なフィルム事業はさらに強化する。年産1万トンのナイロンフィルム工場が今年稼働予定だ」 「一方で繊維事業は現中計を立てた3年前の想定より考えられないほど厳しい。足元では暖冬の影響で衣料関連が伸び悩んでいる。ただ、ユニホームや特殊繊維でアパレル企業から評判の良い製品もある。当社の何が強みでどこが弱いのか、構造をもう一度見直す」 ―環境に優しい製品開発として廃プラスチックを化学的に分解し原料に戻し、再重合するケミカルリサイクルに取り組んでいます。 「環境対応は次期中計で注力する。直近では食品包装用ナイロンフィルム『エンブレムCE』を開発し、4月から生産を始める。当社は低分子から高分子を作る技術があるので、逆に高分子から低分子に分解する技術を磨く。技術のポテンシャルはあるのでしっかり対応していく」 【記者の目】 昨年発覚した一部の繊維製品に対する検査データ改ざんについて上埜修司社長は「ガバナンスに対して宿題が残った」と猛省する。再発防止策を講じ、少しずつ機能し始めているという。信頼回復が最優先課題ではあるが、企業体質を見直す機会となった19年を糧として次期中計を始動できるか、上埜社長の手腕に注目したい。 (大阪・新庄悠) <関連記事>

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