「自分が恥ずかしくなった」と双日幹部が明かす、育休を取得した部下の妻からの手紙

全部長がすでに「イクボス宣言」に署名した双日(写真はイメージ)

双日が男性の育児休暇の取得を促進している。全部長がすでに「イクボス宣言」に署名。管理職として部下の仕事や育児、介護などの両立に理解を示し、キャリアを応援しながら組織の成果を追求する。イクボス宣言をマネジメントに生かしつつ、どれだけ働き方改革を推進できるかが注目される。(取材・浅海宏規) 「男性社員も堂々と育児休暇を取り、自身の視野も広げてもらいたい」―。藤本昌義社長は、こう社員に呼びかける。 双日は2018年10月、NPO法人ファザーリング・ジャパン(東京都千代田区)が運営する「イクボス企業同盟」に総合商社として初めて加盟した。同社の15年度の男性の育児休暇取得率は4・1%で、平均取得日数は3・3日。18年度は31・0%まで拡大したものの、同日数は3・5日にとどまっていた。 同社は19年4月から育児中の男性社員に有給で8週間までの育児休職を認める制度を導入した。社内からは「賛成の声もあれば、そんなに長く休むのか、テレワークではダメなのかといった反応」(宮野寛子サステナビリティ推進室ダイバーシティ・マネジメント課長)もあった。 19年11月末、双日の部長級研修で61人の全ての部長がイクボス宣言に署名した。こうした中、部下の男性社員から1カ月間の育児休暇の申請を受けた、エネルギー・社会インフラ本部電力プロジェクト部の将基孝一朗部長は「制度自体は知っていたが、聞いた時は何を考えているのかと思った」と率直に振り返る。 第2子誕生で申請した高原剛志さんは17年9月、双日に中途入社。同年12月に第1子が誕生した際には育児休暇を1日だけ取得した。「その際、妻は育児で大変そうだった。今回、独身の同僚からの後押しもあり、申請した」と話す。 育児休暇を終え、職場に復帰した高原さんの妻から、将基部長宛てに手紙が届いた。手紙には、期間中、高原さんが長男の面倒から炊事、洗濯をこなしていたことや、高原さんの同僚や上司に対して感謝をつづる内容だった。 手紙には、高原さんが双日に入社したことを誇りに思うといった内容まで触れられており、受け取った将基部長は「これまで、どこかで“けしからん”と思っていた自分が恥ずかしくなってしまった」と明かす。 社内の部長級研修では、将基部長と高原さんがそろって育児休暇の際の体験について話した。「双日に入社して2年ほどのキャリアだが、会社への帰属意識が高まった」と高原さんは強調する。後輩の若手社員からも育休に対して質問を投げかけられることも増えたという。 双日では「今後は課長以下にも理解を促していくための取り組みも進めていく」(中原慶子サステナビリティ推進室長)といい、制度の普及を図っていく。

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