大手電機の業績、停滞していた富士通とNECが増益のなぜ?

皮肉にも国内市場への依存度高く、中国ショックの影響軽微

NECの新野隆社長(左)と富士通の時田隆仁社長

巨大市場の中国が電機大手の業績の足を引っ張っている。大手電機8社の2019年4―12月期連結決算は5社が営業減益となった。米中貿易摩擦に端を発した中国景気の減速により自動車やスマートフォン市場が冷え込み、関連する製造設備や電子デバイス、素材などが低調だった。各社は通期業績予想に新型肺炎の感染拡大の影響をほぼ織り込んでおらず、さらなる下振れリスクを抱える。 東芝の19年4―12月期連結決算(米国会計基準)は、営業利益が前年同期比7・6倍の625億円に急伸した。主な増益要因は半導体や電力システム事業などでの構造改革効果が356億円あったほか、189億円の調達改革と138億円の固定費削減も奏功した。 ただ、個別の事業環境でみると「中国市況の低迷が長引いており、半導体と東芝テックのプリンティング事業が現状苦戦している」(平田政善専務)と中国変調が直撃。通期見通しは当初設けていたリスクバッファ(リスク準備枠)を取り崩して、各事業の下振れを吸収する。 日立製作所は上場子会社の日立建機が中国やインドでの販売を落としたほか、日立金属も自動車や半導体、FA向けの材料が低調だった。パナソニックと三菱電機も自動車関連の製造設備や車載部品が振るわなかった。 一方で、国内市場への依存度が高い富士通とNECは営業増益だった。比較的堅調な国内景気に支えられ、ITサービスやパソコン販売などが利益を押し上げた。 各社はまだ中国で感染拡大する新型肺炎の影響を見極めきれていない。感染拡大により中国経済とサプライチェーンへの打撃が長引けば、21年3月期連結業績への影響も避けられない。 スマホ向けイメージセンサーが好調なソニーも安泰ではない。稼ぎ頭のイメージセンサー事業について「来年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響に加え、競争環境や各種の地政学リスクなど楽観はできない」(十時裕樹専務)と不透明感が強まる。 <関連記事> ● ●

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