中高生になるとIT業界に興味を持つ女子が少なくなるのはなぜ?

Waffle、IT業界にジェンダー平等を

小学生のプログラミング授業では男女で興味に差はないが…

性別による差をなくす「ジェンダー平等」が叫ばれ、「男の職場」と言われてきた職種で活躍する女性が増えている。こうした潮流から取り残されているのがITエンジニアだ。28歳の田中沙弥果さんはIT業界のジェンダーギャップを解消しようと2019年11月、Waffle(東京都渋谷区)を立ち上げて代表理事となった。ジェンダー問題は大きな社会課題であり、多くの人から支援を受けられる一般社団法人として“起業”した。 早速19年秋、女子中高生がプログラミングにより、国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成を考えるハッカソン(技術開発コンテスト)を開いた。世界各地でハッカソンを運営するアフリカのNGOや日本オラクルも協力し、100人が参加するほど盛況だった。他にも企業が開く女子学生向けイベントに協力するなど、IT業界の魅力を伝える場を提供する。 10代の女性を対象とする根拠がある。「小学生にプログラミングの出前授業をしても、男女の児童で興味に差はない。しかし中高生になるとIT業界に興味を持つ女性がいなくなる」(田中代表理事)からだ。メディアなどで象徴的に描かれるITエンジニアは男性ばかりで、女子高生の就職の選択肢からIT業界が外れる。 「いま、デジタル技術が社会をつくっている。それなのに女性ITエンジニアが少数のままなら、いつまでも男性が社会をつくることになる」(同)と課題を語る。さらにIT業界の人材不足にも危機感を募らせる。日本では30年に80万人近くのIT人材が不足するとの試算があり、女性人材を確保しなければ日本のIT競争力は低下するばかりだ。 田中代表理事がIT業界の課題解決を自らの仕事とした原点が「就活の失敗」という。ITに興味があったが、職探しで出会うのは「自分の価値を発揮できない」と感じる会社ばかりだった。起業を決意し、事業運営の修行としてプログラミング教育を支援するNPO「みんなのコード」に参画した。 経験を積んでWaffleを設立した今、女子中高生を対象とした草の根活動にとどまらず、「オセロのように一手で局面をひっくり返す手段を模索している。政策を変えたい」という。ジェンダー問題の第一人者にアプローチし、政府が4月に開くイベントで登壇する機会を得た。この場で政策を提言する。当たり前のように女性が活躍するIT業界にするための“一手”を放とうとしている。

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