見えてきたトヨタの世界販売1000万台超え、「競争力と魅力」併せ持つ

昨年の東京モーターショーでプレゼンする豊田章男社長(同社公式サイトより)

トヨタ自動車のグローバル販売が成長軌道を描いている。世界の自動車市場が縮小傾向にある中、2019年(暦年)は北米や中国など主要市場で軒並み販売台数が伸長。各国・地域の状況に即した活動を徹底したことが原動力になっている。 「グローバルに自動車市場が冷え込む中、トヨタは(19年の)販売目標を上回ることができた」。都内で6日に開いた19年4―12月期連結決算の会見で、販売戦略を説明したディディエ・ルロワ副社長は誇らしげに語った。19年のトヨタ単体の販売実績は前年比1・8%増の971万4253台で着地。一部サプライヤーには21年の世界販売台数を1018万台と伝えており、単体での大台超えも射程に入れている。 世界経済に不透明感が漂い、自動車市場も減少に歯止めがかからない状況。その中でトヨタの販売が好調を維持しているのは「真摯(しんし)に顧客に向き合い、ニーズを吸い上げて一歩一歩進んできた」(ルロワ副社長)ことにある。新設計思想「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)」による開発の効率化で、競争力と魅力を併せ持つ新型車を各地域でタイムリーに販売できたことも大きい。 最大市場である中国では19年に同9%増となる162万台を販売。市場全体が8%の落ち込みとなる中、19年に投入した新型「カローラ」や「レビン」が販売をけん引。「販売員が燃費性能などを顧客一人ひとりに丁寧に説明した」(同)ことも奏功した。安易な値下げをせずに中古車価格を維持し、リセールバリューを高めたことも顧客に支持されたようだ。 北米や欧州ではハイブリッド車(HV)の販売が拡大した。ルロワ副社長はその要因を「HV技術の燃費や静粛性、耐久性などが受け入れられたほか、走行性能の良さを理解してもらえた」と認識。環境規制が厳しい欧州ではトヨタ車(レクサス含む)を購入する顧客の半数がHVを選んだという。 ただ、ここにきて中国などでの新型コロナウイルスによる肺炎感染の拡大や英国が35年にHVの販売禁止を発表するなど、好調な世界販売に水を差しかねない不安材料も相次ぐ。ルロワ副社長は「今後も(地域的に)バランスの取れた戦略で顧客に向き合っていく」とし、落ち込みの大きい地域を好調な地域がカバーする“ワンチーム”で難局を乗り切る構えだ。 (名古屋・長塚崇寛、同・政年佐貴恵) <関連記事> ●

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