パナソニックが「電材・住設」の海外売上高目標を3倍にした事情

パナソニックの津賀一宏社長

パナソニックは、電設資材や住宅設備事業を合わせた海外売上高について、2030年度に18年度比3倍超の1兆円に引き上げる方針を明らかにした。経済発展と合わせて建築市場が広がる東南アジアやインド、中国の配線器具、システムキッチンなどの需要を取り込む。パナソニックは住宅・オフィスなどの空間領域を成長に向けた重点分野と位置付ける。とりわけ海外でもシェアの高い製品群をそろえる電材事業を拡大する。(取材・日下宗大) 「決して夢物語ではない」。同日、タイのバンコク市内で開いた東南アジア戦略に関する会見で、伊東大三インド・南アジア・中東阿総代表は力を込めた。 電材は照明や配線、換気扇など建物にある電気周りの部材。配線器具でパナソニックは世界シェア2位を誇る。建築市場は日本国内は人口減少とともに成熟化が進むが、海外は新興国を中心に人口が増加傾向で市場は拡大している。 パナソニックは電材事業について海外を強化し、30年度に海外の売上高構成比率を50%(18年度は28%)にする計画。設備投資については従来、国内が中心だったが、海外での生産能力引き上げや新規事業の創出に重点的に振り向ける。生産体制の拡充とともに、単品売りだけでなく他商材も組み合わせた事業展開を進める。 パナソニックは全社的に中国やインドを海外展開の重要地域と位置付けている。電材や住設事業において一段と力を入れていくのがタイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシアの5カ国を中心とした東南アジア地域だ。 21年度に両事業を合わせた東南アジア地域の売上高を18年度比7割増の1000億円に引き上げる方針だ。 配線器具など同地域で高いシェアを持つ電材事業では現地パートナーとの連携を加速。「同地域にあまねく商材を行き渡らせる」(伊東総代表)。日本の販売戦略を海外にも当てはめる。家電事業に含まれる空調分野との連携を進めて商品シナジーを発揮させる。 住設事業では東南アジア市場に本格参入する。18年度の同市場の売上高は2億円だが、30年度には約400億円にする。海外売上高としても30年度には18年度比20倍の1000億円を目指す。 システムキッチンやユニットバスなどを現地仕様に合わせて開発。商材の組み合わせにより施工の手間を減らしながら安定した品質の製品を提案する。タイではスマートフォンで操作できるIoT(モノのインターネット)宅配ボックス「スマートボックス」の実証実験も20年1月に開始。バンコク市内30カ所に配置し、今後の事業化を目指す。 住設事業の海外展開は日本の高度経済成長の歴史を振り返り、検証しながらビジネスモデルを描く。課題先進国の日本で築き上げてきたソリューションを東南アジアなどへ応用し、現地化を図っていく。 <関連記事>

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