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時短営業セブン129店・ローソン176店、「コンビニ縮小」が止まらない

営業体制の見直し必至

大手コンビニエンスストア3社が時短営業への取り組みを加速している。時短実験を続けていたファミリーマートでは6月から、時短を希望するフランチャイズチェーン(FC)加盟店が時短営業を開始する。セブン―イレブンは129店、ローソンも176店が時短営業を行っている。これまで年中無休を売りにしてきたコンビニだが、深刻な人手不足を背景に営業体制の見直しを余儀なくされている。(編集委員・丸山美和)

【加盟店が判断】

ファミマは本部との協議の上、FC加盟店が希望すれば時短を導入できる。3月からFC加盟店の時短希望を募る。時短営業は毎日か日曜日だけかの2パターンあり、23時から翌7時の間で30分単位で休業時間を選べる。3カ月後に時短営業を継続するかをFC加盟店が判断し、その後1年間は営業時間変更はできない。

【実験を継続】

ファミマの実験に参加したFC加盟店からは「(時短によって)深夜人手不足の心配をしなくて良くなった」との声がある一方で、「開閉店業務が大変だった。早朝の陳列作業の負担が増加した」といった課題も明らかになっている。今後、こうした課題への対処も必要となる。

競合するセブン―イレブンは現在、129店が深夜に休業しており、現在約500店が時短実験を続けている。

ローソンは1976年のオープン時からFC加盟店の希望で時短契約を導入しているが、2019年9月は74店舗だった深夜休業店が20年2月には176店舗まで増えている。ファミリーマートを合わせた大手3社が時短営業を推進している格好だ。

【出店戦略転換点】

コンビニ業界では深刻な人手不足により営業体制の見直しだけでなく、大量出店によるドミナント施策も転換点にある。日本フランチャイズチェ―ン協会によると、19年末のコンビニ店舗数は微減だが、統計開始以来初めて前年を下回った。

コンビニ間の競合に加えてスーパー、ドラッグストア、インターネット通販など業態の垣根を越えた争いも激化の一途を辿っている。コンビニ各社は早急に新たな成長モデルを描く必要がある。

日刊工業新聞2020年2月7日

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