ニュースイッチ

今度はドコモとメルカリが手を組む…スマホ決済、乱立から再編へ

今度はドコモとメルカリが手を組む…スマホ決済、乱立から再編へ

提携の背景にはペイペイの存在が…

乱立するスマートフォン決済サービスの再編が本格化している。NTTドコモとメルカリがスマホ決済分野で業務提携する方針を固めた。メルカリはスマホ決済子会社のメルペイを通じて同業のオリガミの買収を決めているが、メルペイへの先行投資もあり営業赤字が続いていた。取扱店を増やす営業力や大規模キャンペーンに必要な企業体力を持つ情報通信大手を軸に合従連衡が進むことになる。(取材=編集委員・水嶋真人)

ドコモのスマホ決済「d払い」とメルペイ双方の加盟店開拓で連携する。7345万会員を持つドコモのポイントサービス「dポイント」を、フリーマーケットアプリ「メルカリ」で利用できるようにする。

両社の提携の背景にあるのは、ユーザー数2300万人超となったペイペイの存在だ。ペイペイを手がけるZホールディングス(旧ヤフー)は対話アプリで約8200万人の顧客基盤を持つLINEと10月に経営統合する。衣料品通販サイト「ゾゾタウン」も傘下に収めた。

LINEやゾゾタウン、ヤフーの各種サービスでペイペイが使えれば競争力が高まる。これに対抗するには、ドコモショップでメルカリの使い方を学ぶ講座を開くなど接点があった両社の連携強化が不可欠だった。

消費者がキャッシュレス決済を選ぶ要因は利用可能店舗数の多さに加え、安全性とポイント還元にある。このため、自社スマホ決済に積極的な先行投資を行った結果、LINEの19年12月期連結決算(国際会計基準)の営業損益は389億円の赤字。メルカリの19年6月期連結決算の営業損益も121億円の赤字だった。

高速大容量通信が売りの第5世代通信(5G)商用化で膨大なデータを分析する時代を迎える中、スマホ決済で得られる購買履歴を多く持つ携帯会社ほど競争力が高まる。それだけに、スマホ決済アプリにさまざまな機能を付加する連携も進みそうだ。

日刊工業新聞2020年2月4日

編集部のおすすめ