JR東海社長を直撃、新型新幹線とリニアは本当に順調ですか?

金子慎社長インタビュー

―いよいよ東京五輪・パラリンピックが開催されます。  「鉄道事業者として国内外の多くのお客さまに快適に利用いただく。安全安心を最優先に、セキュリティーも確保し、緊張を持って取り組む。臨時列車を出すかはもう少し近くなってから判断する」 ―2020年の取り組みは。  「3月のダイヤ改正で、東海道新幹線の全列車の最高速度を時速285キロメートルとし、のぞみの1時間当たりの片道最大運行本数を2本増やして12本に輸送力を高める。5月には特大荷物のサービスも始める。約20年ぶりの在来線通勤電車の新型『315系』の新造を決定した。20年は詳細設計の準備を進め、安全性、安定性、サービスを向上する」 ―新型新幹線「N700S」の導入は。  「7月1日に営業運転を始める。いろんな意味で最高峰の車両。時速360キロメートル走行を実証済み。震度検知や状態監視、バッテリーでの時速30キロメートルの自走など安全機能も高めた。フルアクティブ制振制御、横揺れ軽減などで乗り心地の良さも実感してもらえるはず。セキュリティーも高まる」 ―リニア中央新幹線の取り組みは。  「工事を各地で拡大する。安全、環境保全、地域との連携を重視し、工事計画の点検などを進める。また超電導リニアの改良型試験車が3月に完成する。先頭の形状を変え空気抵抗を13%抑えた」 ―静岡工区着工が遅れています。  「基本的には環境に配慮して、地域の方の不安解消に取り組む。県で専門部会を設け議論を頂いているが、専門的な議論のため少しわかりにくいとの声も聞いている。心配との声をしっかり聞き、私たちの考えを地道に丁寧に話していく」 ―技術開発の新たな動きは。  「ICTを活用したメンテナンスの技術を開発している。センサーを付け遠隔で検査する。第5世代通信(5G)がどこまで使えるかも課題。膨大な情報を読み取るには人工知能(AI)も活用する。これが人手不足対策にもつながる」 【記者の目】  堅調な国内景気を背景に緻密な運行管理で20年3月期は8期連続で売上高の過去最高を更新する見通しだ。のぞみの12本ダイヤ、N700Sの投入に加え、在来線でも新車両を準備し、将来への可能な一手を着実に打つ。リニア静岡工区の着工は地元の理解に苦戦。進展が待たれる。 (名古屋支社・村国哲也)

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