化学大手のデンカ、ノロウイルスワクチン生産へ

ドイツで用地取得、子会社の技術活用

デンカはヘルスケア事業を成長分野に位置づける(同社公式サイトより)

デンカはノロウイルスワクチンの生産に向け、独ハレ市の用地取得を決めた。植物としてのタバコを用いて、ワクチンの原料となる抗体用たんぱく質を産生するパイロットプラントを建設する。現在、ノロウイルス感染症の治療薬はなく、水分補給などの対症療法に限られている。検査薬原料への技術活用も見込む。 デンカは2015年に独アイコンジェネティクスを子会社化した。アイコンは植物の遺伝子組み換え技術を活用し、抗体や抗原などの高分子たんぱく質を低コストで短時間に産生する技術を持つ。この技術を用い、ウイルス様中空粒子(VLP)を抗原としたノロウイルスワクチンを開発している。 デンカは流行が想定されるノロウイルスのVLPを混合したワクチンの開発などを目的に、18年に片山和彦北里大学教授とノロウイルスワクチンシーズのライセンス契約を結んだ。デンカ子会社のデンカ生研(東京都中央区)はインフルエンザワクチンの主要メーカーの一つ。ノロウイルス関連では、抗原検出キットを販売している。 デンカは22年までの5カ年計画で、ヘルスケア事業を成長分野に位置づける。新規事業では、がん遺伝子検査情報サービスに取り組んでおり、中外製薬とシスメックスに続く承認取得に向け、6月の承認申請を目指している。ウイルスの培養、精製技術を用い、第一三共との連携で、ヘルペスウイルスを用いた脳腫瘍ウイルス製剤「G47Δ」の早期の薬事申請を図る。資本業務提携している台湾のプレックスバイオの同時多項目測定技術を用いて、21年度中の敗血症パネル検査試薬の実用化を視野に入れる。

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