コンビニ「店舗減少時代」、生き残りのヒントは近江商人にあり

時短営業の実験をするセブン-イレブン店舗

全国のコンビニエンスストアの店舗数が初めて減少に転じた。大量出店による成長戦略が限界を迎えている。一方で加盟店は人手不足や売り上げ低迷に直面している。加盟店、利用者を巻き込んだ新しいコンビニ経営のビジネスモデルを構築すべき時だ。 日本フランチャイズチェーン協会によると、2019年12月末の全国のコンビニ店舗数は、5万5620店で前年同月比123店減と、調査開始以来初めて減少した。コンビニ各社が出店を抑制した結果が表れた。一方で、売上高は全店・既存店ともに前年を上回った。 各社が地域の商圏を確保しようと進めてきたドミナント戦略が店舗の過剰を招き、24時間営業も相まって一部の加盟店を疲弊させたことは否めない。ただ、既存店ベースで前年比0・4%増とわずかでも増収だったのは、コンビニ経営にはまだ伸びしろがあることを示している。少子高齢化や女性の社会進出など、社会の変化に対応した商品を提供することで、成長の余地が残されている。 大手コンビニ各社は出店抑制と同時に、営業時間短縮を実験するなど時短導入にかじを切った。ファミリーマートが加盟店オーナー自身で営業時間の短縮を決められるように方針転換したのは英断だった。 さらに来店者が商品購入時に自分で決済するセルフレジの設置や、加盟店が本部に支払う経営指導料(ロイヤルティー)の減額など負担軽減へさまざまな支援策を打ち出した。年末年始に営業を休んだ店舗がみられたことは、コンビニの「働き方改革」の成果といえよう。 いまやコンビニは小売りだけでなく、治安や防災の面からも国民生活に不可欠な存在だ。各社はそれを自覚しつつ、社会課題に取り組むESG(環境・社会・企業統治)への戦略的な取り組みを強化している。 近江商人には「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の「三方良し」という経営哲学がある。利用者、加盟店のオーナーも「良し」になる事業モデルを期待したい。

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