10月のビール類酒税一本化を控え、大手メーカー4社の皮算用

スーパードライの新コンセプトで若者に訴求

アサヒビールは8日、2020年のビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)の売上収益で前年並みの6660億円を目指すと発表した。事業方針を「ビールに特化し、お客様にとって特別な価値や体験を創造する」とし、主力の「スーパードライ」を強化。同ブランドの販売数量で前年比1・4%増の8470万ケース(1ケースは大瓶20本換算)を目指す。 スーパードライでは氷点下の温度帯で提供する「エクストラコールド」の体験機会を拡大する。家庭で氷点下のスーパードライを楽しめる専用容器「同タンブラー」の提供キャンペーンを実施。イベントなどで缶容器を急冷できる専用機器「アサヒスーパードライ エクストラコールド急冷機」を展開する。 4月からは東京、名古屋、大阪で「スーパードライ」工場コンセプトショップを期間限定で開設。コンセプトカーも展開する。仮想現実(VR)活用の工場見学疑似体験や工場直送のスーパードライを提供する。 キリンビールは8日、2020年のビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)販売数量で前年比0・9%増の1億3670万ケース(1ケースは大瓶20本換算)を目指すと発表した。達成すれば3年連続前年比プラス。10月のビール類酒税の一本化への改正などを踏まえ、主力ブランドへの集中投資とクラフトビールへの注力を柱とする。 主力ブランドではビール「一番搾り」と第三のビール「本麒麟」を重点に拡充。一番搾りは缶商品を同9・5%増の1500万ケースに引き上げ、同ブランドで前年比3・4%増の3010万ケースに設定した。 19年に同6割増の1510万ケースを販売した本麒麟は20年に同25・8%増の1900万ケースを目指す。今月中旬にリニューアルし、原料大麦の増量や、仕込み過程に新技術を採用しコクを高める。 クラフトビール事業では独自の取り組み「タップ・マルシェ」の新規導入を6000店拡大し、約1万9000店に広げる計画。 サントリービールは9日、2020年のビール類(ビール、第三のビール)の販売数量で前年比1%増の6400万ケース(1ケースは大瓶20本換算)を目指すと発表した。中核の第三のビール「金麦」ブランドを3商品同時リニューアルし、同1%増の3870万ケースに引き上げる。ビール「ザ・プレミアム・モルツ」は刷新を実施し、同1%増の1735万ケースに拡充する。 「金麦」「同〈糖質75%オフ〉」「同〈ゴールドラガー〉」を今月中旬からリニューアル。「贅沢麦芽」を新たに使用し麦芽由来のうまみを高めた。また季節ごとに味わいを整える“四季の金麦”を展開する。第三のビール全体で同1%増の4370万ケースに設定した。 ザ・プレミアム・モルツと「同〈香る〉エール」の刷新では、ビール中の高分子たんぱくの濃度を高める「神泡リッチ製法」を開発し、おいしさと泡品質を高めた。ビールカテゴリーでは同1%減の2030万ケースを計画する。 サッポロビールは9日、2020年のビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)販売数量を前年比2・4%増の4450万ケース(1ケースは大瓶20本換算)を目指すと発表した。ビール類酒税一本化が段階的に10月から始まることを踏まえ、減税になるビールカテゴリーで多様化ポートフォリオを確立する。第三のビールは「麦とホップ」と2月発売の「GOLD STAR」でニーズを取り込む。 ビールでは「サッポロ生ビール黒ラベル」の業務用でビールサーバーに泡の再生力や泡持ちを高める「パーフェクトチェンジャー」の展開を強化。「サッポロ クラシック」「サッポロラガービール」で市場拡大の余地があるエリアで取り組む。3月からはグループの米アンカーのクラフトビール3商品の国内販売を始める。 黒ラベルで同1・4%増の1690万ケースに引き上げ、ビールカテゴリーで同0・8%増の3030万ケースに設定。第三のビールはGOLD STARの上乗せで同11・4%増の1260万ケースを目指す。

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