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不適切検査で業績圧迫のKYB、収益改善へ2輪部品の生産拠点再編

KYBは2輪車用部品の生産拠点を再編する。中国で生産しているインドメーカー向けの部品を2019年度内にインド現地へ移管する。20年度にはタイで生産する部品をベトナムに移管する。投資額は明らかにしていない。需要や市場の変化に合わせて再編し、2輪事業の収益力を回復する。

中国の部品生産を新たに担うインド拠点は、ヤマハ発動機との共同事業会社の工場。取引先のインドメーカーから現地供給の要望があったことから移管を決めた。移管後の中国拠点は中国と欧州連合(EU)向けの部品を手がける。

一方、タイ拠点については、現地の市場が2輪車から4輪車へシフトしているため、ほぼ全ての2輪車部品の生産をKYBのベトナムにある既存工場に移管する。2輪車市場の成長が見込めるベトナムで生産体制を強化する方針だ。

KYBは2輪車用のフロントフォークやリアクッションユニットなど車両前後の緩衝器を手がけ、アジアを中心に生産拠点を増やしてきた。だが、近年は市場環境の変化などにより拠点が過剰になっており、2輪車事業の収益性が悪化していた。

同社は現在、20年度を初年度とする次期中期経営計画を策定しており、2輪車事業以外でも再編を進める。免震・制振用オイルダンパーの不適切検査問題などが業績を圧迫しており、収益力の強化が課題になっている。

すでに電動パワーステアリング(EPS)の国内生産からの撤退や、スペインの油圧ベーンポンプを生産する工場を閉鎖する方針を示している。

日刊工業新聞2020年1月3日

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