ニッポンの消費、五輪後も反動なしは本当か。最大の懸念は…

小売り・外食で深刻化する人手不足、「セルフ」で凌げるか

人手不足対策として導入が進んでいるセルフレジ(品川区ローソンゲートシティ大崎アトリウム店)

小売業や外食業界の2019年の売上高は、大型台風や大雨など自然災害の影響を大きく受けた。10月の消費増税では、駆け込み需要が顕著だった百貨店と外食で反動減が起きている。だが「反動減の一巡後、消費は再び緩やかな増加基調に復帰する見通し」(村瀬拓人日本総研副主任研究員)で、景気を支える個人消費の早期回復に期待が寄せられる。 19年1月は中国の電子商取引(EC)法施行で、中国人の爆買いが減少。免税品売り上げは26カ月ぶりに前年を割り、百貨店は売り上げを落とした。小売り、外食ともに売上高が減少したのは7月。二つの台風に加え、梅雨が長引き気温も低く、季節商品が売れなかった。消費増税前の9月は、美術品やラグジュアリーブランド品のほか、軽減税率対象外の酒類で駆け込み購入が起こり、外食も売り上げを伸ばした。 村瀬副主任研究員は「増税後の10月は、百貨店売上高の落ち込みが目立つがこれは反動減だけでなく、台風や洪水など自然災害が続いた影響も大きい」と分析。駆け込み需要の盛り上がりも限定的なため「前回(2014年)の増税時のような深刻な落ち込みや長期低迷は避けられる」とみる。 消費の落ち込み防止対策で導入された、キャッシュレス決済時のポイント還元措置は20年6月に終了するが、「幼児教育無償化など恒久的な措置の規模が大きく、ポイント還元のような一時的な支援措置が終了しても家計の負担は限定的。個人消費の増加基調が崩れる可能性は小さい」(同)。 同7月の東京五輪・パラリンピックは個人消費の引き上げに寄与すると見られるが、開催後の反動減を危惧する声もある。ただ、健康関連商品や携帯電話など欲しければ高額でも購入するといった消費行動は世代を問わず底堅いため、こうした需要を取り込むことができれば、消費の落ち込みは回避できるとの意見は多い。 一方、消費の緩やかな増加基調の腰折れ要因となりかねないのが人手不足だ。帝国データバンクの調査では、20年の景気への懸念材料で最も高かったのが「人手不足」だった。実際、人手不足が原因でコンビニの24時間営業問題が起こり、深夜営業を止める外食チェーンも相次いだ。さらに店舗閉鎖や廃業を選択する事例もあり、景気悪化につながることが心配されている。小売業や外食など多くの企業は政府に対して人手不足解消の政策を要望しており、軽減税率などと同様の具体的な人手不足対策が待たれる。

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