環境規制や現地メーカー台頭に勝つ、ホンダ2輪車「新戦略」の中身

インドネシアで6月に発売したジェニオは新型プレスフレームを採用した

ホンダは新たな2輪車の設計概念の導入を加速する。世界トップシェアの2輪車メーカーとして規模のメリットを生かし、プラットフォーム(車台)の共通化などによる効率化で商品の競争力を高める。主力のインドなどアジア市場は減速傾向にあり、環境規制の厳格化や現地メーカーの台頭も懸念材料だ。新戦略で激しさを増す2輪車業界の競争に臨む。(取材・山岸渉) 「各地域のモータリゼーションに合わせて生産を整え、お客さまを拡大してきた積み重ねだ」。二輪事業本部長の安部典明常務執行役員はホンダの2輪車が今月、累計生産台数4億台を突破したことについてこう振り返る。2輪トップメーカーとしての地位は盤石に見える。だが、インドが2020年4月から環境規制を「ユーロ5」並みに厳しくするなど事業環境は変化している。規制対応のためのコスト増が見込まれるが、中国やインドの2輪車メーカーの台頭で価格競争が激しさを増す。 ホンダが力を入れるのが「メガモデル3戦略」だ。メガモデルとは旗艦モデル「スーパーカブ」など比較的安価なコミューターで、年100万台超の量販モデルを指す。ボリュームの大きい車種の車台を共通化することで、低コストで高付加価値の商品を各国の法規制などに柔軟に対応しつつ、提供できるようにする。レーザー溶接などの導入で完成車の生産の効率化も進めている。 メガモデル戦略の第1弾がインドネシアで6月に発売した「ジェニオ」だ。新型プレスフレームを開発し、高品質と低コストを両立させたほか、軽量化と高剛性で乗り心地も高めた。販売は好調だという。東南アジア各国にメガモデル戦略車を順次展開する。 一方、中国・インドメーカーの開発の速さや低コスト攻勢への対策も欠かせない。ホンダは二輪事業本部と研究開発子会社である本田技術研究所の2輪の研究開発機能を4月に統合した。開発スピードと商品の競争力をより高めるのが狙いだ。安部常務執行役員は「新型モデルを出す周期を短くしている。その成果は今期、来期に出せそうだ」と自信を見せる。 足元ではインドなどのアジア市場は伸び悩んでいるが、安部常務執行役員は「インドは人口の伸び率や普及率から見て成長市場であることは変わらない」と言い切る。バングラデシュなど次なる成長市場への対応も強化し、「5年後には5億台を達成したい」(安部常務執行役員)としている。

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