全国展開していたエステサロン、倒産に追い込まれた「営業時間」

教育体制を充実も、「人手不足」で実現せず

写真はイメージ

首都圏を中心に全国30店を展開していたエステサロン経営業者、ビーゲイトが9月30日に事業を停止した。同社の特徴はその出店形態にあり、店舗をスポーツジム内に併設して初期投資を最小限に抑え、他店よりも安価なサービスを実現、差別化を図った。 「フィットネスエステ」を主なコンセプトに、30―40代の女性客を主な顧客に展開し、設立7年目の2014年2月期には年収入高が10億円を突破した。早くから自前の研修センターを設けるなど教育体制の充実に注力。将来的にエステティシャンスクールの開設も視野に入れるなど順調な経営を続けていた。 しかし、出店に見合う集客確保が難しくなった16年2月期以降、減収・赤字基調に陥った。この間、多数の店舗が閉店に追い込まれ、約20店まで縮小した。17年前後には、取引金融機関に借入金の元本返済猶予を要請。同じ時期、一部の仕入れ先には支払いの分割を要請した。17年2月期の年収入高は、前期比3割の大幅減収となる約7億3500万円にダウン。当期純損失約5300万円を計上し、約1100万円の債務超過に転落した。 このため外部コンサルタントの指導も受け、美容アイテムの販促等に注力し、再建に努めた。しかし、19年2月期も赤字額が膨らむなど最後まで赤字体質を脱却できなかった。なお、運営していた店舗は倒産前に他社へ譲渡されており、現在も営業を続けている。 今回の破綻を振り返ると、「人手不足」が影響した側面が大きかった。これまで積極的に出店を繰り返してきたものの、ここ数年はそれに見合うだけの人材獲得が進まなかった。店舗によってはエステティシャンが恒常的に不足し、営業時間を制限せざるを得ないケースもあり、業績の足を引っ張った。同業との競合もあって人手不足の解消は難しく、研修センターを設けてまで力を入れた教育体制の効果も十分に発揮できなかった。 (文=帝国データバンク情報部)

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