飲料総販売数が過去最高へ、キリンビバをけん引したあのブランド

堀口英樹社長インタビュー

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キリンビバレッジは2019年の総販売数量が18年の2億3316万ケースを上回り、過去最高を2年連続で更新する見通しになった。天候不順などの影響で飲料市場全体は若干のマイナス傾向になりそうだが、紅茶飲料「午後の紅茶」など主要ブランドが大きく伸び、成長を後押しした。堀口英樹社長に好調だった要因などのほか、20年のブランド戦略について聞いた。 ―19年の市場環境は厳しかったのですか。 「新元号やラグビーワールドカップの盛り上がり、長雨、豪雨、台風といった異常気象といろいろあった1年だった。その中で需要の大きい7月の長雨は飲料市場にとって影響は大きかった。当社は7月に新商品投入があり、マイナス幅を抑えられた面がある。その減少分を8―10月でリカバリーできた」 ―新中期経営計画の初年度でしたが、何を重点にしましたか。 「前年までは利益を重視したが、19年は成長に軸足を置いて、ブランドの強化に力を注いだ。『午後の紅茶』や緑茶飲料『生茶』などに成長投資としてメリハリをつけた資源配分を行った。また、消費者の健康意識の高まりを踏まえブランド横断的なサブカテゴリーとして“無糖領域”を展開した。『午後の紅茶 おいしい無糖』やペットボトルコーヒー『ファイア ワンデイ ブラック』など同領域は前年比2割くらい伸びている」 ―物流改革にも着手しています。 「工場直送の体制からハブ拠点を設ける配送体制『キリンゲートウェイ』を進めている。コスト負担は増えるが、長距離輸送を減らし、急な需要に対応する社会的責任を担う。20年もさらに拡充する方針だ」 ―新年度の20年のブランド戦略をどう展開しますか。 「グループが掲げるCSV(共有価値の創造)経営としての成長を目指す。健康・環境・地域社会の3テーマのうち、飲料を通じた健康で社会課題の解決を進める。(1)糖・カフェインを『摂り過ぎない健康』(2)ストレス解消や快眠を与える『プラスの健康』(3)添加物を入れない『そのままの健康』―を切り口としてブランドを強化・拡充していく」 キリンビバレッジは前中計で“低収益”事業から脱却するため、主要3ブランドに注力し、コスト削減に努めた。事業利益は大きく改善しており、今度は成長へと舵を切った。「健康」を軸にブランドを強化する狙いだが、競合各社も同様の戦略を打ち出しており、キリンとして差別化できるかがカギになりそうだ。(編集委員・井上雅太郎)

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