五輪マラソンの札幌開催、警備の課題にALSOKはどう応える?

札幌市の時計台

綜合警備保障(ALSOK)は防犯にとどまらず防災への対応や見守りサービス、金融システムなどサービスの多様化を進める。2020年の東京五輪・パラリンピックの警備ではセコムなどと共同企業体(JV)を設立して警備に必要な1万4000人の確保に備える。今後の戦略を青山幸恭社長に聞いた。(聞き手・高島里沙) ―東京五輪での警備上の課題は何ですか。 「JVにおける人員確保が心配だ。また札幌での開催が決まったマラソンや競歩については警備計画を組み替えなければならない。世界一の祭典である五輪には、短期間に海外も含めて大勢の人が訪れる。警備内容は異物がないかの監視や入り口での手荷物検査、会場内の案内など。テロはもちろん火災や地震など想定される緊急事態に対応しなければならない。人的警備の省力化にも会場内外で取り組む必要がある」 ―五輪効果による業績への期待は。 「警備サービスをどう提供できるかが頭にあり、収支にまで至っていない。上期に始まったラグビーワールドカップなどの臨時警備による収益への影響もわずかだ。むしろそれをテコに現場がコスト削減や省力化などで需要を喚起しているのが実態だ。成果を得たことで常駐警備の単価が上がり需要増につながっている。常駐警備を含めた単価を上げなければならない」 ―人手不足への打開策を教えてください。 「マンパワーが必要な常駐警備はロボットで代替している。例えば夜間3人の巡回警備を2人の警備員とロボット1台で対応する。また機械警備の警備員やエンジニアの多能工化を進め、1人がマルチタスクをこなせるようにしている」 ―防災への対応は。 「防犯や防災は本来事前対応が必要で事後対応ではなく起きる前に兆しをつかむ必要がある。ボタンを押せば警備員がかけつけて高齢者の1人暮らしをサポートする『みまもりサポート』には、防災機能を新たに加える。警報が出た際に通知し災害発生時の避難支援につなげる。時代とともに環境が変わる中で犯罪や災害から身を守るためにどう対応できるかが一番の課題だ」 警備の生産性向上のために「IoT(モノのインターネット)やロボットを活用するが、最後は人だ」と強調する青山社長。警備員の多能工化で一人ひとりのレベルアップを図る。今後は多発する水害をうけ防災対応を強化し、防犯では事前予防に注力する方針。まずは20年東京五輪を成功させて、その後のインバウンドや観光振興対応に弾みを付ける考えだ。

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