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子育て支援よりもまず婚活支援!地方活性化の経済効果は?

ツヴァイがマッチングから移住後のアドバイスまで
子育て支援よりもまず婚活支援!地方活性化の経済効果は?

ミライカレッジ飛騨高山

 ツヴァイが地方の地域活性化と婚活を結びつけた新たな事業を推進している。結婚相手の紹介サービスといえば、店舗内で登録した会員の中から相手を選び出し、マッチングする印象が強いが、ツヴァイでは地方自治体などと組み地方の魅力を会員などに紹介。現地ツアーに誘導し、実際に地域に触れるとともに現地生活者とのマッチングも行う。移住後の生活アドバイスまでパッケージしたプログラムとして力を入れている。

 「ミライカレッジ」と呼ぶこのプロジェクトには「ライフデザイン講座」「移住促進支援プログラム」「ローカル価値創造プログラム」があるが、中でも特徴的なのが「移住促進支援」だ。

 同社はこれまでも地方自治体と連携して婚活ツアーなどを展開してきた。ミライカレッジでは、都市圏に在住する若者にまず都市部で地方の魅力を伝え、実際に現地ツアーに参加してもらい、地域の仕事や暮らしを体験する。

 同時に現地で地域の同世代の若者との交流を実施し、地方で暮らすための具体的なイメージを描いてもらう取り組み。現地での結婚や移住希望者には移住促進センターの紹介や生活アドバイスの提供も行う。

 今年はすでに秋田県仙北市でミライカレッジツアーを実施したが、さらに10月には石川県の奥能登、岐阜県の飛騨高山、11月には山形県の庄内、長崎県壱岐市で開催を予定している。

 ミライカレッジはいわば地方創生を「地域活性化と結婚支援の両面から取り組む」(縣厚伸社長)というプロジェクト。少子高齢化・人口減少による地方消滅の危機も顕在化しており、地方創生にはスピード感のある対策が急務だ。

 同社では婚活を単なる結婚相手探しの機会とせず、結婚後の妊娠・出産、子育てまでを一気通貫で考えられるように支援する専門部隊を立ち上げている。その一つの具現化が地方と婚活、移住を結びつけた同プロジェクトになった。
日刊工業新聞2015年09月11日 建設・エネルギー・生活面
田鹿倫基
田鹿倫基 Tajika Tomoaki 日南市 マーケティング専門官
婚活支援は地方にとって人口対策と経済対策において非常に重要となる。地方は一般的に子育ての行政支援が手厚く、また地域ぐるみで子育てができる場 所も残ってるケースも多く、その分子育てコストが都会に比べて安く抑えることができる。地域において人口一人あたりの年間経済効果は100-120万円ほどなので、その 分、地域経済の底上げにもつながる。婚活パーティに税金を使うべきではない、という声も根強くあるのも事実だが、実は、経済効果、地域コミュニティの維持という側面においては効果があることも見逃せない。

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