東京都墨田区の進化するオープンファクトリー

初参加のホリゾンでは、インスタ映えするウールレターを作成した

東京都墨田区の町工場28社による、オープンファクトリーイベント「第8回スミファ―すみだファクトリーめぐり」が催された。ツアーのラインアップ拡充や会員制交流サイト(SNS)を使った集客など、来訪者増加に向け新たな取り組みが成された。“モノづくりの街・墨田区”を多くの人に伝えるため、進化するスミファの現状を追った。(大串菜月) 墨田区は、本年度注力する科学、技術、工学、芸術、数学の「STEAM(スチーム)」人材育成事業の一環として、自治体主体のツアーを開催。教育事業を手がけるtanQ(東京都渋谷区)と連携し、区の魅力を伝えるカードゲームを作る。思考力を育てるため、教育に関心が強い親子などの集客につなげた。 スミファでは町工場の仕事を間近で観察し、カードゲーム作成に生かす。サトウ化成(同墨田区)は、ウレタン製の剣作りや工場見学を実施。子どもたちは夢中で剣作りに没頭。佐藤憲司社長は、「反響はとても良かった」と、例年以上の集客に笑顔を見せた。 また取引先の発掘など企業間のつながりの創出も副次的効果の一つ。浜野製作所(同区)の浜野慶一社長は、ローランド・ベルガー(同港区)と連携し、企業向けツアーを開催。デザイナーや大手通信会社など、幅広い業種から参加者が集まった。両社は遠隔操縦ができる小型電気自動車(EV)「バトラーカー」の開発などで協力。ローランド・ベルガーがツアーの集客をし、浜野社長が案内した。 参加者は大東印刷工業(同区)などを見学し、印刷工程や職人技に強い関心を示した。浜野社長は、「つながりは決して損にはならない。参加企業にとって、何か“いいこと”が生まれればうれしい」と語った。 また宣伝のため、インスタグラムの公式アカウントを初作成。跡見学園女子大学マネジメント学部の許伸江准教授のゼミ生が運営し、インスタグラムで企業を紹介した。初参加のホリゾン(同墨田区)は、針金とひもを使ったオブジェ「ウールレター」作りのワークショップを実施。「インスタ映えする」と人気も高く、プログラムを先導した脇田綾子氏は「小学生の男の子が集団で訪れた」など、意外な来訪者に驚きを見せた。大学生など新規層の獲得に期待が持てる結果となった。 2020年春には、東武鉄道が浅草駅からとうきょうスカイツリー駅間に複合施設を建設するなど、区内の観光地化も進む。観光客の集客が見込まれる中、スミファも観光誘客を後押しするような内容の拡充が期待される。

続きを読む

関連する記事はこちら

特集