がん治療や電子機器に生かす…超電導コイル技術の威力

中部電力が産業応用を加速

産業応用を進める超電導コイル

中部電力は超電導コイル技術の産業応用を加速する。電磁応力1・7ギガパスカルと世界最高クラスの強度を持つ超電導コイルを、アルファ線核医学治療によるがん治療への適用や、電子機器のソフトウエアエラー対策などに活用する。いずれも科学技術振興機構(JST)の研究開発プロジェクトに参画しており、産学共同研究で早期の実用化を目指す。 中部電の超電導コイルは、熱伝導を絶縁する側板に繊維強化プラスチック(FRP)や金属などを用いることでコイル外周に用いる場合よりコンパクト化した。 電磁力はコイルが広がる方向に機械的に接続、線材だけでなく構造的に電磁力の広がりを抑える。発生する電磁力に応じてコイル側板の接着強度や厚さで対応でき、電磁力や電流密度の高いものへの対応が可能になった。 がん治療では、体内から腫瘍にアルファ線を照射する治療薬に用いるアスタチン製造用の加速器に応用する。従来の加速器は大型で強度が不十分なため、高強度小型加速器を開発、製造コスト低減で医療機関近くでの供給体制構築につなげる考え。 ソフトウエアエラー対策では、中性子(宇宙線)にさらされた誤動作、信号データのエラーレートなどを高精度で評価する技術に応用する。 中部電は従来、電力系統安定化などの系統制御や、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーによる電源側の変動補償のための電力貯蔵装置などに超電導コイルの活用を目指してきた。これまでの研究で培った超電導コイルの要素技術をベースに産業応用にかじを切ることにした。

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