老舗制服メーカーの倒産、クールビズで業績に寒風

サンリット産業、50余年の歴史に幕

バブル崩壊で制服廃止企業が増えた(写真はイメージ)

 サンリット産業は、1966年8月に前代表である小池俊二氏が設立。総合ユニホームメーカーとしてスーツ・オフィスウエア、ワーキングウエアを取り扱っていた。航空会社のパイロットやグランドスタッフの制服に同社製品が採用されたり、消防や警察、陸上自衛隊向けに機能性の高い制服も提供したりしていた。このため官公庁や企業からの受注も増加、全国に支店と九州に三つの工場を開設して事業を拡大し、バブル期の92年9月期には年売上高約78億9800万円を計上した。  創業者で取締役会長だった小池氏は96年以降、大阪商工会議所副会頭を4期務めるなど大阪経済界の顔役として知られ、銀行の社外取締役など上げればきりがないほどの公職に就任していた一角の人物だった。だがバブル崩壊以降、同社の勢いは落ちていた。企業は制服に資金を投入することを避け、価格面を重視する傾向が強まった。そのため同社もインドネシア工場の計画凍結、国内工場の統合などリストラを進めたものの、受注減少と単価下落はリストラ効果を大きく上回り収益面は低迷し続けた。  さらに2007年の男女雇用機会均等法改正に伴って男女平等の見地から女性社員の事務服・オフィスウエアを廃止する企業が相次いだ。さらに11年の東日本大震災以降、節電意識が強まったことで、スーパークールビズの浸透により職場のカジュアル化が進み、さらなる制服需要低下を余儀なくされていた。  その後は飲食店のユニホームなどに注力したが、基幹となる商流や新商品を打ち出すことができず業績が上向くことはなかった。資金繰り悪化から金融機関へのリスケ要請を行い、資産売却などを進めていたものの、16年4月に自社ブランドの生産終了し、年売上高も8億円前後に低迷。抜本的な経営改善の手を講じられないまま、今年8月26日、本社に張り紙を張り、ひっそりと50余年の歴史に幕を閉じた。 (文・帝国データバンク情報部) <企業概要> (株)サンリット産業 住所:大阪市中央区谷町3―6―7 代表:小池顕三氏 資本金:1億円 年売上高:約9億6300万円(18年9月期) 負債:約31億9900万円

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