心不全に「細胞スプレー」、医師主導で治験

大阪大学が実施

大阪大学医学部付属病院の沢芳樹教授らは、心臓表面に細胞を吹き付けて投与する「細胞スプレー法」の医師主導治験について、心不全の原因の一つである虚血性心筋症の患者を対象に行う。11月から患者の選定を始めており、2021年10月までに3例の投与を行う。数十秒の短時間で完了し、細胞培養やシート作製が不要。細胞加工施設のない医療機関にも普及できる再生医療技術として3―5年をめどに実用化を目指す。 治験ではロート製薬が作製したヒト脂肪組織由来の間葉系幹細胞製剤を使う。詰まった血管の迂回(うかい)路をつくる冠動脈バイパス手術を受けた虚血性心筋症の患者が対象で、手術時の止血のための接着剤に細胞製剤を混ぜて吹きつける。 細胞製剤の投与3例のほか、従来の接着剤だけの投与3例をランダムに実施して比較し、安全性の確認と有効性の程度を調べる。 虚血性心筋症は心不全の原因の一つで、冠動脈が狭くなることで血流が悪化する病気。細胞スプレー法は冠動脈バイパス手術の効果を高める治療と位置付ける。 沢教授らはiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った心筋細胞シートによる心不全の再生医療にも取り組んでおり、症状に応じた多様な再生医療を確立する考えだ。

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