重機4台を遠隔操作、5Gが建設現場を変える

大林組など実証実験

大林組はKDDI、NECと2020年3月までに第5世代通信(5G)を使い無人施工の実証実験を始める。遠隔操縦する重機を従来の2台から4台に倍増し、各重機の場所や作業状況が1画面で分かるように監視システムを用意する。併せて常設の操作室を設置し、遠隔操縦者のハードルを下げ、新たな働き方を提案する。従来の災害復旧の用途だけでなく、通常の工事で常時使える無人施工を目指す。(取材=編集委員・神谷信隆) 総務省の19年度5G総合実証試験として、三重県伊賀市のダム現場の一部を借り、道路の造成工事を想定している。 周波数帯は商用に近い3・7ギガヘルツ帯に加え、建機2台が連携作業した18年度の試験で実績がある28ギガヘルツ帯を使う。重機は油圧ショベル、ブルドーザー、クローラダンプなど4台を用意し、土砂を積み込み、運び、敷きならして転圧する「普通の道路工事を常時使える5Gで遠隔操縦する」(古屋弘大林組技術研究所上席主席技師)。 前回と同様、大林組の汎用遠隔操縦装置「サロゲート」を使い、遠隔地からモニターを見ながら遠隔操縦する。新たにレーザースキャナーを現場に固定し、掘った量や積んだ量など出来形データを高頻度で取り込む。データは5Gを使ってクラウドサーバーに送り、解析して返す。大容量、低遅延な5Gの性能確認が期待される。 さらに新たな試みとして、移動式の操縦室以外に常設の操縦室を用意する。より快適な操作環境を追求し、遠隔操縦者のハードルを下げる狙い。持続可能な開発目標(SDGs)を意識し、建設現場で作業するのが難しい人でも、遠隔操縦で建設に参加できるような「新しい建設のやり方」(古屋上席主席技師)を検証する。 現場は4台の重機が動くため、全体を監視できるシステムを作る。既存システムを遠隔操縦向けに改良する考え。各重機に全球測位衛星システム(GNSS)を搭載し、どこでどんな作業をしているかを1画面で把握できるようにする。 実証実験は新たな試行を通じて、5Gを通常の建設現場に適用する可能性や課題を探る最前線となりそうだ。

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