「下請けからの脱却」、瓦関連企業が宇宙に挑む

石敏鉄工の部品が超小型人工衛星プロジェクトで採用

独自開発のフレームは静岡大学が開発を進める超小型人工衛星に採用された

「三州瓦」で知られ、日本三大瓦産地の一つとされる愛知県三河地区。ここに宇宙ビジネス進出に挑戦する瓦関連企業がある。創業71年の瓦金型メーカー、石敏鉄工(愛知県碧南市、石川実良社長、0566・41・1868)だ。10月、静岡大学の超小型人工衛星プロジェクト「スターズミーツー」に独自開発の部品が採用された。 「下請けからの脱却」―。石川社長は、こう意気込みを語る。実は同社が新分野に挑むのは初めてではない。きっかけは1995年の阪神淡路大震災。屋根瓦が散乱した映像がテレビで繰り返し流れ「瓦が重いから家屋がつぶれた」「瓦は地震に弱い」などという風評被害が広がった。 瓦需要は落ち、同社の金型生産量も減少した。そこで乗り出したのが自動車の試作部品加工だった。瓦金型で培った金属加工技術を生かし、事業は軌道に乗り足元も堅調だ。ただ並行して自社商品を持ちたいとの思いも強くなっていった。 石川社長は市場拡大が見込め、夢のある宇宙分野に着目した。開発に取り組んだのは、サイズの基本単位が10センチメートル四方の「キューブサット」と呼ばれる超小型人工衛星用のフレーム。一般的には部品をネジ止めで組み立てるため精度確認に時間がかかり、振動に弱いという課題があった。 それに対し同社のフレーム「MBF」は、5軸制御マシニングセンターを駆使してアルミニウムブロックから削り出す一体型構造。要望に応じて剛性、重量、形状を自在にカスタマイズできるのがメリットという。 採用されたスターズミーツーは20年に国際宇宙ステーションからの放出衛星として打ち上げられる予定。同社はそこでフレームの宇宙での稼働実績を得て、売り込みを本格化する考えだ。(取材=名古屋・浜田ひかる)

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