伝統木造建造を火災から守る「ねばねば」

工学院大学の後藤治教授(同大理事長)や能美防災の研究グループは、水と無機物を混ぜた粘度が高い液体を利用し、かやぶき屋根など伝統的建造物の火事を初期消火できる試作機を開発したと28日発表した。液体が水のように飛び出して対象物に付着する。消火や燃え広がりの抑制に効果があることを実証した。かやぶきだけでなく、檜皮葺(ひわだぶき)やこけらぶきなどの建造物、木造密集市街地での防災装置としての活用が期待される。 高粘度液体は高い圧力をかけることで、水のように散布できる。対象物に付着することで燃え広がりを防ぐ。水に比べ対象物から流れ落ちにくいため散布量が少なくて済む。散布直後であれば水で洗い流すことで跡が残らない。 研究グループは、かやぶき屋根の模型を作製。模型に火をつけた後、高粘度液体を模型に散布し、ファンで模型に風を送った。30分たっても煙や赤くなった部分が少なく、燃焼を抑えていることがわかった。高粘度液体がかやぶき屋根の表面を覆い内部への空気の出入りを遮断することで、燃焼を抑制したとみられる。 10月に発生した那覇市の首里城の火災をはじめ、世界的な文化財の建造物で大規模な火災が相次いでいる。木造の建造物の場合、鎮火の手段として放水銃による一斉放水があるが、大量の水や配管などが必要だった。

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