スカイツリーの巨大鉄骨は熟練の技で溶接

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい建築材料の本

東京スカイツリーの建設に使われた鉄骨は約37000パーツ、36000トンあります。塔体鉄骨に使われているパーツは、そのほとんどが鋼管と呼ばれる丸パイプです。このようなパーツを製作するのがファブリケータと呼ばれる鉄骨製作会社であり、全国19ヶ所の製作工で作られました。製鉄会社で作られた鋼板を、製管会社でプレス機などを用いて丸めて鋼管に成形した後、ファブリケータで寸法精度よくカットします。その後、鋼管どうしを溶接して分岐継手を有する部材にし、これらを現場に搬入して塔体に組み立てていきます。複雑な形をしている東京スカイツリーの場合、異なった形のパーツが縦横斜めさまざまな方向に配置されています。ファブリケータで溶接して分岐継手を有する部材にした後に、現場でも円周方向の溶接を行い、すべて溶接で組み上げるという工法が採用されました。 一番大きな鋼管パーツは直径2.3m 、板厚は100㎜に及ぶ巨大なものです。このような巨大な部材を溶接するには、多いところで180周もの多層盛りの溶接をすることとなります。自動でできるところはほとんどなく、各種の試験で腕を確認された溶接工が担当しています。溶接すると部材に収縮や変形が生じるので、工場でも現場でも3次元測量計測を駆使して製作することになります。また、溶接が終わった部位は、必ず超音波で検査して重大な欠陥がないかを調査します。 世界に誇る日本の溶接技術により、東京スカイツリーの建設が可能になりました。このような技術と技能が求められる溶接の伝承が今後も重要です。 書籍紹介 今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい建築材料の本 大垣賀津雄・大塚秀三 著、A5判、160ページ、税込1,650円 建築材料は種類が多く、素材ごとに適した場所で使われている。本書は伝統的な材料から最新のものまで、多種にわたる建築材料について一つずつ取り上げ、材料ごとの特徴や使われ方、施工作業などをやさしく解説する。 著者紹介 大垣 賀津雄(おおがき かづお) ものつくり大学技能工芸学部建設学科 教授、博士(工学) 専門:鋼構造、複合構造、橋梁工学 1961年 大阪府生まれ。1986年 大阪市立大学大学院前期博士課程修了、1986年 川崎重工業株式会社入社、鉄構事業部に配属、2000年 長岡技術科学大学より学位取得 博士(工学)、2011年 川崎重工業株式会社マーケティング本部新市場開発部長、2015年 ものつくり大学技能工芸学部建設学科教授、現在に至る。 著者紹介 大塚 秀三(おおつか しゅうぞう) ものつくり大学技能工芸学部建設学科 教授、博士(工学) 専門:コンクリート工学、建築材料施工 1993年 川口通正建築研究所入所、2005年 ものつくり大学技能工芸学部建設技能工芸学科卒業、2007年 ものつくり大学技能工芸学部建設技能工芸学科助教、2013年 日本大学大学院理工学研究科博士後期課程建築学専攻 修了、2013年 ものつくり大学技能工芸学部建設学科准教授、2018年 ものつくり大学技能工芸学部建設学科教授、現在に至る。 販売サイトへ 目次抜粋(全68項目) 第1章 建築材料とは 建築材料の概要「建築材料は人体の構成と似ている」/建築材料の規格と関連法規「建築材料の規格と工事種別ごとの仕様書を適用」 第2章 建築材料として使われる木材 木材の種類「針葉樹と広葉樹の特徴と使われ方」/木材の原産地「木材の産地は多国籍」 第3章 さまざまな種類がある鋼材 建築用鋼材「引張強度が高く超高層建築に使われる」/建築用形鋼「形、寸法、材質の違いで多くの種類がある」 第4章 建築に欠かせないコンクリート コンクリートの歴史「コンクリートは古代の材料?」/コンクリートの構成材料「コンクリートは汎用的かつ土着的な材料!?」 第5章 建築を引き立てる仕上げ材料 木質系ボード「木材の小片や繊維を成形して作成」/合板「単板を積層接着させたもの」/フローリング「単層と複層がある」 第6章 建築の性能を高める機能性材料 防水材料「防水材料はアスファルト系、シート系、塗膜系」/シーリング材「建築部材の目地や隙間を埋める コラム スカイツリーの溶接はすごい/マリーナベイサンズの架設/ねじれたビル ↓画像をクリックしてamazonへ↓ 『今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい建築材料の本』

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