国連「気候行動サミット」に参加した日本企業が実感した海外との違い

温暖化対策、結束が重要に

芙蓉総合リース常務・細井聡一氏

9月末に米ニューヨークで開かれた国連の「気候行動サミット」。これに合わせて訪米した日本企業関係者は、海外と日本の意識の違いを実感することになった。海外では「気候変動」を「気候危機」と言い換え、企業同士が温暖化対策で結束を強めていたからだ。首脳級が参加する「SDGsサミット」も同時期に開かれた。二つのサミットの関連行事に参加した日本企業関係者に、現地での体験を振り返ってもらった。 芙蓉総合リースの細井聡一常務は、温暖化対策を訴える企業グループ「日本気候リーダーズ・パートナーシップ」のメンバーとして訪米した。「“クライシス(危機)”という意識が強かった」と振り返る。海外企業はハリケーンなどの自然災害で被害を受けており、関連行事では「経営者は温暖化対策を必ずやると語り、スピーチに迫力があった」という。 企業とも面談した。米グーグルの調達担当者は再生可能エネルギー発電所の新設にこだわっていた。再生エネ購入を推進する団体との意見交換では、企業が共同で再生エネ発電所を建設していると知り、「再生エネの拡大を企業の責任と考え、協力して動いている」と分かった。機関投資家もグループを結成して企業に温暖化対策を迫っており「競合と手を組むほど、危機感が強い」とも実感した。 現地で面会した小泉進次郎環境相からは「気候変動問題に対する日本と海外のギャップを埋めるため、要望を出してほしい」と求められたという。日本でも台風による深刻な被害が出ており、気候変動への危機感を強める時期に来ている。 博報堂DYホールディングスの川廷昌弘CSRグループ推進担当部長は神奈川県SDGs推進担当顧問の肩書で、世界中の都市が集まるイベントに参加した。都市特有の課題について解決策を共有して持続可能な開発目標(SDGs)を推進しようと、国連開発計画(UNDP)が主導したイベントだ。 黒岩祐治知事の代理としてスピーチした川廷部長は、「未病」と関連付けてSDGsを政策に浸透させた県の取り組みに触れ、「地域的で身近なコンセプトの活用が、SDGs普及の成功要因」と紹介した。また「皆さんの街に地球規模課題解決ラボを設置し、ネットワークをつくろう」と呼びかけた。聴講者から賛同を得られ「成果を残せた」と手応えを語る。 スピーチライターと入念に準備してのぞんだ。気を付けたのが「世界を俯瞰(ふかん)し、自分の強みを特定し、何を求めているのかを見極め、一歩先の提案をすること」だった。代理であっても「パーソナリティーを発揮したことで本気度が伝わった」。 日本企業関係者の講演、スピーチは海外で印象に残りにくいとの指摘もある。日本の存在感を増すためには、講演やスピーチの力を引き上げることも必要と言えそうだ。

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