グッチの独占販売権を持っていた老舗セレクトショップはなぜ倒産した?

サンモトヤマ、海外ブランドが独自に日本進出で売り上げ直撃

高級ブランドを日本に紹介した実績を持つが(写真はイメージ)

グッチやエルメスなどの海外有名ブランドを日本でいち早く紹介したことでも知られ、銀座の一等地に店舗を構える老舗セレクトショップとして一定の知名度を有したサンモトヤマは2019年10月1日に破産手続き開始決定を受けた。 同社は1955年に設立したブランド品の輸入販売などを行うアパレル関連業者。セレクトショップの草分け的な存在で、60年代にはグッチの日本での独占販売権を獲得。その後、日本におけるエルメスの販売権を獲得し、両ブランドを同時に扱うセレクトショップとして一躍有名となった。 以降、大阪や軽井沢に新店舗をオープンさせるなど順調に業績を伸ばし、88年7月期に年売上高約86億8000万円を計上、その後売り上げは約92億円に迫るなど全盛を迎えていた。 しかし、90年前後から海外ブランドが独自に旗艦店を立ち上げ直輸入販売を行うようになる。同社が契約していたブランドも例に漏れず、90年にはグッチの日本法人設立に伴い、総代理店契約を解消。2000年代にかけてその他のブランドも販売権を返上しなければならなくなり、売り上げおよび利益について厳しい状況が続くようになった。 その後、資金繰りの悪化で09年夏ごろから金融機関に対してリスケ状態に陥るなか、再建に向けスポンサー候補の探索も進めた。 今年に入り、一時は複数社の代表を務める人物に創業家が保有する株式を譲渡。再建を図ったが、前提となった条件が履行されず関係を解消した。その後も某上場企業などとスポンサー交渉を行うも奏功せず、9月26日には運営する全店舗を臨時休業する事態となった。 高級ブランドを日本に紹介した実績を持つサンモトヤマは海外ブランドの販売権を返却したことで売り上げがダウン。その後もファストファッションが主流となり、売り上げの減少を止められず、65年の歴史に幕を下ろすこととなった。 (文・帝国データバンク情報部)

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