変わり始めたモーターショー、トヨタは会場で経営会議

「ビジョンを実現可能にするのはお客さまと市場の力」(トヨタ社長)

豊田社長(左)と5人の副社長が、東京モーターショーの会場で経営会議の様子

 日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は、4日まで開催中の「第46回東京モーターショー」の来場者が100万人(前回は77万人)に到達する見通しを示した。来場者の減少が続いていた中、豊田会長が不退転の覚悟で臨んだ今回のモーターショー。トヨタは自社ブースで経営会議を開催するなど、異例づくしの内容で勝負をかけた。その狙いは「車に興味のない人にも足を運んでもらう」という豊田トヨタ社長の言葉通り、車ファンのすそ野を拡大することにある。  3連休初日となる2日午後のトヨタブース。10月31日に急きょ開催が告知されたサプライズイベントをひと目見ようと身動きが取れないほどの人だかりができていた。  「トヨタのマネジメントはどうやっているかとの質問があったのでメンバーを集めた」。豊田社長のこの一言で始まった公開の経営会議。総務・人事や工場担当の河合満副社長や財務担当の小林耕士副社長、先進技術担当の寺師茂樹副社長など、6人中5人の副社長が登壇した。  議題は交通事故の防止や災害発生時の車の役割、電動化などで、一般の人に関心の高い話題をわかりやすく議論した。観客からの質問にも丁寧に受け答えするなど、会場の一体感を演出した。  経営会議の狙いについて豊田社長は「我々のビジョンを実現可能にするのは、お客さまと市場の力だ」と強調した上で、「こうした場を通してお客さまの本当の要望に耳を傾けていきたい」と続けた。  自動車業界は「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」という新潮流で100年に一度の大変革に直面している。自動車各社は次世代技術の開発に躍起だが、それを使ってくれる顧客があってこそ生き残りへの道が開かれる。  トヨタはモーターショーを通じて車の未来を示し、興味を持ってもらうことを最優先事項に据えた。今回のトヨタブースは体験型をテーマとしており、新型車を展示していない。この点からもトヨタの異例の打ち出し方がうかがえる。日本を代表する自動車メーカーの積極的な姿勢が今後の東京モーターショーの在り方を変えるかもしれない。 (取材=名古屋・長塚崇寛)

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