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アジアのスタートアップアワード、シンガポールの医療系が1、2位独占

アジア・アントレプレナーシップ・アワード2019
アジアのスタートアップアワード、シンガポールの医療系が1、2位独占

中央はCEOで創設者のONG SIEW HWA氏。日本ベンチャー学会賞も受賞

 「アジア・アントレプレナーシップ・アワード2019」が10月30日から11月1日までの3日間、柏の葉キャンパス(千葉県・柏市)にて行われた。同アワード出場企業は、技術系ベンチャーとの繋がりや、世界規模のアクセラレーターネットワーク、さらには柏の葉エリアでの実証実験やビジネス支援サポートを得ることができる。

 今回はIoTや人工知能(AI)、医療などの分野で事業を展開する全14か国、27社のスタートアップがエントリーし、日本からも5社が参加した。「日本の大企業との連携性」「事業の革新性」「実行力」の3つの側面から審査が進められた。最終日には、セミファイナルを勝ち抜いた中国・インド・シンガポール・タイの先鋭6社がファイナルセッションを行った。

 優勝したのは、シンガポールの医療系スタートアップ、Acumen Research Labs。同社は患者の免疫細胞の遺伝子発現プロファイリングを通じて、わずか4時間で敗血症を素早く検出することができる初の敗血症試験「AcuSeptTM」を開発した。

 「AcuSeptTM」では敗血症を早期発見することが可能で、死亡率を減らすことができるという。同社はシンガポールにおいて複数の政府機関の強い支持を得ている。

 第2位は同じくシンガポールの医療系スタートアップ、BioCheetah Pte Ltd。同社のサービスは、IMCB(Institute of Molecular and Cell Biology)の研究過程で発見・開発された独自のバイオマーカーと検出交代による膀胱がんの診断アプリケーション。キットを使って尿を検査し、がん患者・非がん患者であるかを診断することができるという。

 シンガポール企業庁からも支援を受け、同国の中でも急成長を遂げている注目のスタートアップだ。膀胱がんは男性のがん患者の中で5番目に多く、特に喫煙者は通常の4倍かかりやすいと言われている。日本における患者数も多くグローバルでサービスが見込める。
中央はCEOのLEE KIAN CHUNG氏。ライフサイエンス賞も受賞

 第3位はインドのIoTビルディングブロックインドのスタートアップ、Cavli Wireless。同社は「Cavli Hubble」と呼ばれるプラットフォームに接続性、アプリ処理、データ管理が集約されたIoTモジュールを設計・製造している。ソフトウェアと管理可能機能を通じて、携帯電波への加入やコミュニケーションのコストなどを扱うことで、IoTのロールアウトを格段に容易にすることができる。
中央はCEO・CTOのJOHN MATHEW氏。同社はIP Bridge賞も受賞

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