電気と水で合成、経済的で環境負荷の低いアミノ酸の製造は可能か

 九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の福嶋貴学術研究員と山内美穂教授らは、木の幹や端材などの木質バイオマスから電気と水で効率よくアミノ酸を合成することに成功した。安全で安価な酸化チタンを電極に使い、アミノ酸を連続的に合成できる装置を開発した。目的とするアミノ酸を約95%の割合で合成でき、これまでの報告よりも反応効率は10倍以上向上した。経済的で環境負荷の低いアミノ酸の製造の実現が期待される。  生物の重要な構成要素のアミノ酸は、飼料添加物や医薬品などの材料となる。現在は発酵法でアミノ酸が生産されている。だが微生物の培養に大量のエネルギーが必要で、分離や精製工程が複雑だった。化学的な合成方法は有毒物質が使われるため、食品や医薬品などの用途に使えないという課題があった。  研究グループは、電気と水を使い木質バイオマスから抽出した有機酸と窒素を含む化合物を反応させた。アラニンやグリシンなどの7種類のアミノ酸を選択的に効率よく合成できた。中でもロイシンやチロシンなどの4種類のアミノ酸は、電気を使った手法では初めて合成できた。  電気と水を使った手法では、これまで有毒な鉛や水銀、高価な白金を電極に使ってアミノ酸を合成した例はあったが、反応効率や選択性が低かった。  研究成果は1日、英化学誌ケミカル・コミュニケーションズ電子版に掲載される。

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