DCを増設するシャープ、ビジネスモデル転換への布石か

IoT基盤事業、50社連携

シャープの戴会長兼社長

 シャープは、IoT(モノのインターネット)家電と連携したプラットフォーム(基盤)事業を強化するため、2020年度にもデータセンター(DC)を増設する。現在、運用している本社敷地内(堺市堺区)に加えて別拠点にも構築し、2―3拠点体制とする。大量のデータ処理に対応可能にし、事業継続計画(BCP)体制の強化にもつなげる。DC運用の信頼性を高め、同事業での他社連携を20年度に約50社へ増やす。サービスによって稼ぐビジネスモデルへの転換を本格化する。  シャープは家電や機器のIoT化を進める事業部を10月上旬にAIoTクラウド(東京都江東区)として分社化した。取得した生活データを外部提供するなどして、他社と連携して高齢者見守りシステムなどのBツーB(企業間)サービスを創出する。増え続けるデータ処理に対応するため、自社敷地内に新たにDCを整備する。サーバーは親会社の台湾・鴻海精密工業から低コストで調達できる。ただDCはインターネット網の主要幹線が通る地域付近でないと立地が難しい。幕張事業所(千葉市美浜区)など、適切な場所を選定する。  AIoTクラウドでは、各社が既に構築済みのプラットフォームと相互連携するのが特徴。データ形式などが異なる他社サービスと連携するには、米国グーグルやアマゾンが展開するような巨大プラットフォームでは実現が難しく、独自の仕組みで差別化する。  こうしたプラットフォームを構築するには、相互の識別符号(ID)連携や、高付加価値データへの変換といった仕組みが不可欠。人工知能(AI)を活用する技術者やデータサイエンティストなどの人材を毎年約10%ずつ増員して対応しており、今後も続ける意向だ。  シャープは9月末に八尾事業所(大阪府八尾市)で冷蔵庫生産を終了し、白物家電の国内生産から撤退した。現在はIoT分野に経営資源を振り向け、製品の企画開発やサービスで稼ぐビジネスへ転換を進めている。

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