軽や小型車にSUV化の波、“ファーストカー”へ競争激化

スズキの「ハスラーコンセプト」

 自動車メーカー各社が国内市場で軽自動車や小型車の攻勢を強めている。24日開幕した「第46回東京モーターショー」では、普及価格帯の車種でありながら、電動化や自動運転の技術を豊富に搭載した軽や小型車の出展が目立つ。スポーツ多目的車(SUV)化するデザインの動きもある。軽や小型車を“ファーストカー”として利用する需要や期待が高まる中、競争が激しくなりそうだ。  東京モーターショーで三菱自動車が発表したのは軽のコンセプトカー「スーパーハイト軽ワゴン」。アシュワニ・グプタ三菱自最高執行責任者(COO)は「当社にとって軽自動車は国内販売の半分以上を占める分野であり、市場として激戦区であるスーパーハイトワゴン市場でドライバーの気持ちに応えたい」と力を込める。  スーパーハイトワゴンに求められる居住空間や性能などを盛り込みながら、SUVテイストにデザインした。コンセプトカーとしての出展だが2019年度内の発売を見据えたモデルだ。  スズキが発表した軽「ハスラー」のコンセプトカーも次期車を見据えたモデル。SUVの性格を前面に押し出したルックスが特徴で、直角や水平を意識した角張った形状が目を引く。  SUVブームが続く中「特に若い世代はただワイルドなだけでなく、使いやすさや利便性も追求する。そこで『軽とSUV』という組み合わせが愛されるのでは」と担当者は語る。SUVのテイストを織り交ぜることで各社は需要を捉える狙いだ。  そのほか、日産自動車は軽自動車規格の小型電気自動車(EV)コンセプトカー「ニッサンIMk」を打ち出し、軽の電動化に踏み込んだ。普通乗用車で激しくなっている電動化の競争が今後、軽にも広がりそうだ。  小型車でも目玉車種が投入される。20年2月にホンダが発売する主力小型車「フィット」の全面改良モデルは、日常生活に寄り添う心地よさを追求した。  室内装飾パネルは水平・直線基調のデザインとし、車内からはワイパーを見えにくくすることで、視界のよさを実現。座り心地は上級セダンへの搭載も見据えて開発したシートを採用した。ハイブリッド車(HV)モデルには環境性能も両立した2モーター式ハイブリッドシステムを初めて搭載する。  八郷隆弘社長は「小型車に求めるものが厳しい日本市場で認められてこそ、新しい時代のスタンダードになる。日本のお客さまとまっすぐに向き合い、磨き上げた」と胸を張る。  トヨタ自動車も20年2月中旬に主力小型車「ヴィッツ」を全面改良し名称も変更して「ヤリス」として発売する。トヨタの小型車として初めてHVに電気式4輪駆動(4WD)システムを搭載し、安全装備も豊富に備えた。末沢泰謙トヨタチーフエンジニアは「ファーストカーとして乗ってもらえるクルマに仕上がった」と話す。  ダイハツ工業は近く発売する総排気量996ccの小型SUVをモーターショーで初公開した。ダイハツのラインアップにSUVはなく、販売店から強い要望があった。  「DNGA」と呼ぶ独自の設計思想に基づく車両で、トヨタ向けにも一部仕様を変えて供給する。前面のグリルやヘッドランプの形状はトヨタの新型SUVなどに近い。17インチタイヤを採用して足回りに力強さを演出しており、男性ユーザーにも訴求できる車に仕上げた。  いずれも小型車の可能性を広げる車種になりそうだ。軽と小型車の競争激化が国内市場活性化を促しそうだ。

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